女性の性感染症(性病)の症状と恐ろしさ・治療方法と費用相場について

知らず知らずのうちに感染してしまう性感染症。

放置して症状が悪化、発症して初めて気が付くことが性病の怖いところ。

性病は自然治癒することはありません。

こちらでは女性が罹患する性病の症状、治療法とそれにかかる治療費の相場について解説致します。

性器に違和感を感じたり、性病の可能性があれ方は早期治療を行いましょう。

性病は大きな感染力を持ちます。

パートナーだけではなく、アナタの将来や日常に大きな影響を与え、取り返しのつかない事態に成り兼ねません。

性感染症(性病)とは

性感染症(性病)は膣性交またはこれに近い、類似した性行為(性器を口腔または性器を直腸など)の皮膚または粘膜へ接触することで感染する病状(疾患)を総称して性感染症と呼びます。

最新のデータでは、令和2年までの性病患者数を厚生労働省が発表しており、令和2年の全体の性感染者数は、57,407人でそのうち、女性の感染者数が25,164人となっています。

この数値は、調査依頼の対象となった医療機関981ヶ所をもとに集計されたものです。

つまり、この数値はあくまで一部の数値であり、実際はかなりの数値に昇ることは確実でしょう。

性感染症(性病)の実態とは?

性感染症は『症状があらわれた=自覚症状』を感じたことで専門科である”泌尿器科”を受診される方がほとんどだと思われます。

これが何を意味するか皆さんはお分かりになりますか?
性病に感染している全体数は、報告数の何倍も存在していること。
そして、その感染者が知らず知らずのうちに、性病感染を増幅させてしまっているということです。

性感染症(性病)の厄介なところ、それは”無症状感染”つまり、症状が無い、感じない事からそのまま放置してしまう事で他へ感染し続くてしまうという事です。

性病の症状は、男性の場合、症状が強くでるものに対し、女性の場合、その症状が出にくいことで病院を受診する機会が少ないうえ、症状が進行しやすい結果、感染者数を増幅させるひとつの原因となっています。

避妊具であるコンドームは、避妊をするうえで重要なものですが、何よりも性感染症(性病)予防に対して重要なのです。

コンドーム装着すれば性病にならない?

性器を口腔に触れる際など、粘膜に触れる場合など全てにおいて、コンドームを装着しておこなう性行為であれば『性病になりにくい』と言えるでしょう。
これは、最初からコンドームをしっかりつけていても100%防止できるわけではないことを意味します。

コンドームを付けていても粘膜が付着することは十分に考えられます。

他にも、キスによる口腔粘膜からの性感染があります。
性感染症(性病)の感染経路は、なにも性行為だけに起こり得ることだけではありません。

銭湯や健康ランドなどの施設で、大勢が利用するお風呂場やタオルなどから性感染(性病)になることも十分に考えられます。

性感染症の種類・症状と治療法にかかる費用

性病治療のために病状、症状に関係なく検査(尿・うがい液・膣分泌物・肛門分泌物)を行います。

性病の症状と治療法と費用

性器・口唇・口腔内ヘルペス

症状

単純ヘルペスウィルス(HSV)Ⅰ型・Ⅱ型を病原体とする性感染症(性病)です。
ヘルペスの症状は、感染部分に疼痛(とうつう)と言って、疼くような痛みを伴う水疱(すいほう)が多数形成されます。 3~5日程で破れて結合し潰瘍ができます。 潰瘍は、痛みをともない、症状が出始めてから1週間前後にもっとも重症化します。
重症化した性器ヘルペスの場合、激痛により排尿困難や歩行困難になることがあり、発熱することもあります。

ヘルペス

今や、オーラルセックスは普通に行われているため、口唇、口腔内にヘルペス症状が発症することもあり性器同様の症状があらわれます。

感染部分の疼痛(とうつう)が破れることで痛みを伴うため、食事などが困難になります。

このヘルペスを現代の医療技術をもってしても、完全に根絶することはできません。

生涯にわたって神経節に潜伏感染し、身体的または、精神的にストレスを大きく感じたり、疲労の蓄積などによる影響で免疫力が低下したことで再発することがあります。

治療法

有効成分:バラシクロビルを含有した抗ウイルス薬を内服および軟膏を患部へ塗布することが一般的な治療法となり重症化した場合は点滴が必要な場合があります。
5日~10日程で症状は治まってきます。

費用※都内のクリニック相場

●抗原検査8,000円~8,800円
●治療費11,000円~13,500円
●薬代3,000円前後
●保険/適用あり(条件:年間6回以上の感染者)
●診察料(初診) 無料~2,500前後 / 再診 無料~1,500円前後
●事務手数料2,000円前後
※症状の重症度によっては、治療内容が異なり治療費が変わります。

カンジダ症

症状

カンジダ症は女性によくみられる性感染症(性病)です。
女性の膣内には滞在菌であるカンジダ属(カンジダアルビカンスなど)が存在し、その菌が異常繁殖により引き起こされる性器炎症型の性病です。
症状は、酒かすまたはヨーグルトのような白いおりものが多くなり、悪臭を発して外陰部に掻痒感を与えます。

カンジダ症

この繁殖には原因が2つ考えられています。

・外因性感染

性行為など外からの要因によりカンジダ菌が繁殖して発症

・内因性感染

性行為を行っていないが、なんらかの誘因により膣内のカンジダ菌が繁殖して発症。
膣は”自浄作用”といい膣内は常に酸性に保たれています。

これは酸性に弱い病原体の侵入を防ぐためです。

しかし、下記に該当される方は、抵抗力が低下して繁殖しやすい状態になっています。

  • 糖尿病
  • ステロイドや免疫抑制剤を服用されている方
  • 風邪、手術後に抗生物質を服用している方
  • 妊婦

治療法

外陰部は抗真菌薬の軟膏を処方します。

膣内のカンジダ症は膣錠を処方します。

カンジダを皮膚と膣の両面で治療する場合、抗真菌薬の軟膏と内服薬を処方します。

費用※都内のクリニック相場

抗原検査 8,000円~8,800円
治療 11,000円~13,500円
薬代 3,000円前後
保険 適用あり
診察料(初診) 無料~2,500前後 / 再診 無料~1,500円前後
事務手数料 2,000円前後

※症状の重症度によっては、治療内容が異なり治療費が変わります。

尖圭コンジローマ

症状

HPV:ヒトパピローマウイルス6、11型などが原因となるウイルス性性感染症(性病)で、生殖器(外陰部・会陰・子宮頸部)肛門、その周辺にイボのようなぶつぶつが発症します。 淡紅色ないし褐色の病変で特徴的な形態をしています。
目視することができるので、その異変や掻痒感により違和感を感じ、来院するケースが多いようです。

尖圭コンジローマ

気を付けなければいけないのは、妊娠している女性による尖圭コンジローマ感染です。

妊娠者の尖圭コンジローマ感染、発症すると産道感染してしまう可能性があり、新生児がHPVに感染してしまい、ごく稀にですが、尖圭コンジローマが喉にできてしまい、”再発性呼吸器乳頭症”を発生してしまう場合があります。

再発性呼吸器乳頭症は、声が枯れたり、イボが大きくなることで呼吸困難になり最悪の場合、命に関わる重大なリスクになることもあります。

イボ除去のために手術を行いますが、何度も繰り返されることが想定されます。
また、膣内に尖圭コンジローマが多発している場合や、イボが大きく異常発達している場合は帝王切開することが必要になることがあります。

治療法

有効成分:イミキモドを含有したクリームを外用薬として患部に塗布、または電気焼灼法やレーザー蒸散術で取り除きます。 尖圭コンジローマは治療後3ヵ月以内に3割の確率で再発すると言われています。

費用※都内のクリニック相場

●抗原検査8,000円~8,800円
●治療9,000円~15,000円
●薬代3,000円前後
●保険/適用あり
●診察料(初診) 無料~2,500前後 / 再診 無料~1,500円前後
●事務手数料2,000円前後
※症状の重症度によっては、治療内容が異なり治療費が変わります。

膣トリコモナス症

症状

鞭毛虫類に属するトリコモナスバジナリスという原虫によって、腟や尿道に引き起こされる炎症性疾患の性感染症(性病)で、膣外陰部を中心に発症します。
腟が過敏になったり分泌物が出たりするほか、ときに排尿に問題がみられます。
女性では、泡状で黄緑色の生臭い悪臭のおりものが生じ、外陰部に掻痒感などが認められ、陰部が過敏になり痛みが生じることもあります。

膣トリコモナス

性行為以外の感染経路では、衣類、入浴、便器または内診・検診台でも感染します。

膣トリコモナスは、男性が感染しても無症状であることが多いのですが、両者が揃って治療を行わなくてはなりません。

治療法

膣錠:メトロニダゾールやフラジール膣錠といくつかありますが、膣洗浄後に膣へ挿入する点は一緒です。 また口から薬を服用する経口薬もありますが、経口薬の場合胎児に永久を及ぼす可能性があるので妊婦中の服用はできません。

費用※都内のクリニック相場

●抗原検査8,000円~8,800円
●治療11,000円~13,500円
●薬代2,000円前後
●保険/適用あり
●診察料(初診) 無料~2,500前後 / 再診 無料~1,500円前後
●事務手数料2,000円前後
※症状の重症度によっては、治療内容が異なり治療費が変わります。

淋菌感染症

症状

淋菌による細菌性の性病です。 淋菌は空気に弱く、患者の粘膜から離れると数時間で死滅します。 日光や乾燥、消毒剤で簡単になくなるため、性感染以外で感染することは稀です。 女性が淋菌病に感染すると子宮頚管炎・尿道炎が引き起こされます。
ですが、その症状は軽度であるため放置されやすく、その後、発熱・下腹部痛となり子宮外妊娠の原因になることがあります。

淋菌感染症

淋菌病の感染率はクラミジアに続き感染者数が多い性病です。

また、淋菌病感染者の2割~3割はクラミジアを合併感染していると言われています。

治療法

抗生剤による点滴が主な治療となりますが、最近は薬剤に対して淋菌に耐性がついた耐性菌が増加しており治療に苦労することがあるようです。

費用※都内のクリニック相場

●抗原検査8,000円~8,800円
●治療22,000円前後
●薬代3,000円前後
●保険/適用あり
●診察料(初診) 無料~2,500前後 / 再診 無料~1,500円前後
●事務手数料2,000円前後
※症状の重症度によっては、治療内容が異なり治療費が変わります。

クラミジア感染症

症状

女性のクラミジア性器感染症は、放置すると子宮頚部から腹腔内へと進展、さらに子宮付属器炎や骨盤内炎症性疾患など、さまざまな箇所へ発症します。
しかし、クラミジア性器感染症は無症状である場合が多く、卵管障害や卵管性不妊症が判明したことで、診断される方が多くいらっしゃいます。
一般的にクラミジアによる症状は、おりもの増量、不正出血、下腹痛、性交痛などです。

クラミジア感染症

目視ができる点ではおりものが増量する点で、下着に付着するのですぐに認識できます。

女性にとってのクラミジア性器感染症は、男性の症状が軽度である一方、合併症や後遺症などが深刻な問題になる場合が多く、大半が将来に関わる重大な疾患となり得ることが多く存在します。

ではクラミジア性器感染症を症状別にご説明しましょう。

子宮頸管炎

最初の感染部位である子宮頸管炎は、感染しても約半数が無症状です。

無症状だからと放置すると、卵管炎・腹腔内感染へと進展する可能性があります。

分泌物検査で診断された場合は、無症状でもすぐに治療を行いましょう。

子宮付属器炎

子宮頚部からクラミジアが卵管へ拡がっても、他の細菌による炎症時の症状のように、発熱や強い腹痛などの自覚症状があらわれにくいことで、発見が遅れることもたびたびあります。

問診でパートナーに感染の疑いがある場合や、クラミジアの主な症状である、おりもの増量、不正出血、下腹部痛、性交痛がある場合、内診によって異常箇所が見られた場合は、分泌物検査を行いましょう。

クラミジア性器の初感染なら、卵管障害につながることは少なく、卵管障害になっても修復可能ですが、この性感染症(性病)はご自身もパートナーも十分な治療をしっかりと受けず、怠ったりした場合、反復感染を引き起こします。

感染症状が治まってくると検診に行かなくなることや、処方された薬の使用を自己判断で薬の使用を止めてしまう方がいますが、医師より完治宣告されるまでしっかりと薬の使用を継続して治療に専念しましょう。

慢性卵管炎

卵管炎が慢性的になると下記のような弊害がおきます。

  • 卵管粘膜ヒダ構造の欠如
  • 卵管分泌細胞の扁平化(形状変化によりひらたくなる)
  • 卵管上皮下まで炎症が拡がり卵管が線維化
  • 卵管内腔の狭窄
  • 卵管蠕動運動の障害

こうなってしまっては自然に回復することはなく、卵・胚の輸送能障害につながってしまい、子宮外妊娠や卵管性不妊の原因になります。

骨盤腹膜炎

骨盤腹膜炎は、反復感染により炎症が卵管を通じて、骨盤内まで拡がり骨盤腹膜炎を起こします。

こうなってしまうと、強い下腹痛や性交痛、発熱などの症状が出て、救急外来の受診を余儀なくされます。

骨盤腹膜炎は内診で、子宮を少し動かしただけでも激痛があります。

診断は簡易に判明しますが、起因菌としてクラミジアが確定するまでには時間がかかります。

拡がってしまった炎症はその後、卵管采周囲癒着、骨盤内の癒着を併発、さらには、卵の輸送機能の障害、卵管采が完全に閉塞すると、卵管留膿腫・卵管留水腫などの支障をきたし、外科的な治療を行わなければ完治せず、自然妊娠が非常に困難です。

咽頭感染

最近の性行為でオーラルセックスは普通に行われる行為ですが、このオーラルセックスによりクラミジアが咽頭(のど)に感染することがあり、この傾向は近年増加傾向にあるようです。

咽頭感染したクラミジアも無症状であるケースが多く、女性性器にクラミジアが検出された方の1割~2割の感染者は、咽頭からもクラミジアが検出されると言われています。

治療法

マクロライド系の抗生物質”ジスロマック”を単回服用します。

ジスロマックは一度の服用で1週間持続します。

骨盤内や肝臓周辺まで症状が広がってしまった場合には3〜5日点滴を行う場合もあります。

治療開始から2週間後に再検査を行い”陰性”の判断が認められれば完治となります。

費用※都内のクリニック相場

●抗原検査8,000円~8,800円
●治療11,000円~15,000円
●薬代3,000円前後
●保険/適用あり
●診察料(初診) 無料~2,500前後 / 再診 無料~1,500円前後
●事務手数料2,000円前後
※症状の重症度によっては、治療内容が異なり治療費が変わります。

※非通知でご連絡いただいた場合、通話ができません。お電話にてご連絡いただく際は必ず番号通知をお願い致します。