基本的に処方薬を本来の使い方とは違う、インターネット上の裏技、のような記事を鵜呑みにするのはリスクが大きいです。
医師が指示をしたという事例があったとしても、それは貴方にではなく、その人だけに指示したものですので、自分にも適応するとは限らないです。
アフターピルとしての代用効果があるとネット上で言われているのは、中用量ピルのプラノバールR【ノルゲストレルとエチニルエストラジオールの合剤】とレボノルゲストレルだけです。中用量ピルを使用した避妊法でプラノバールRを性行為後72時間以内に2錠服用し、さらにその12時間後に2錠服用する『ヤッぺ法』という緊急避妊方法がありますが、その避妊率は日本の研究データでヤッぺ法の避妊率が低い事が以下のデータでわかります。
ヤッぺ法の避妊率
性行為後
24時間以内の服用で77%
48時間以内の服用で36%
72時間以内の服用で31%
アフターピル・ノルレボの避妊率
性行為後、
24時間以内の服用で95%
48時間以内の服用で85%
72時間以内の服用で58%
上記のように避妊率が多く変わってきます。
避妊率からすると、ヤッぺ法は格段に避妊率が低い為、推奨されていません。
低用量ピルでノルゲストレルを含んでいるお薬はトリキュラー、ジェミーナ、アンジュなどになりますが、これらをアフターピルの代用として使用する方法は確立されておりません。
更には、ヤッぺ法でアフターピルの代用をすると副作用の可能性も上がってしまいます。
副作用の確率
・吐き気
ヤッぺ法 51%
アフターピル 23%
・嘔吐
ヤッぺ法 19%
アフターピル 6%
・下腹部痛
ヤッぺ法 21%
アフターピル 18%
・頭痛
ヤッぺ法 20%
アフターピル 17%
以上の確率となり、全体的にヤッぺ法を使用した場合、副作用の出る可能性が高くなってしまっている事がわかります。
しかもヤッぺ法では2回に分けての服用が必要になってきますので、その分リスクは更に上がってしまいます。
更には例えば1回目の服用で副作用が強く出てしまった場合は2回目の服用に問題が出てしまう可能性も高くなってしまいます。
このようにピルの種類によっては代用できるだろう、という程度の考え方はあるようですが、正規のアフターピルに比べて避妊効果は落ちますし、確実に副作用の可能性も高まり、安全性、効果の保証はできません。
節約したいからという理由で、もし効果がなく妊娠してしまっては中絶させるのに20万ほどかかってしまう場合があるので本末転倒です。
確実にアフターピルを早期に使用して避妊するのが得策です。