アフターピル(緊急避妊薬)は全ての方が服用できるわけではありません。
既往歴や現在使用している薬の飲み合わせが悪いことで【併用禁忌薬】に指定される医薬品があります。
禁忌とは使用できない事を指します。
併用禁忌薬とは、今現在頓服している薬と、アフターピルとの飲み合わせが悪いことで服用が禁止されているお薬のことです
これからご説明する中で各項目に該当される方はアフターピルを用いることができない、もしくは担当医への確認が必要となります。
もしも併用禁忌薬・併用注意薬を服用してしまうと
禁忌薬を併用することで、予期せぬ副作用や身体に大きな悪影響を及ぼし最悪の場合、 緊急搬送される場合 などあります。
さらに、既往歴などからもアフターピルが適さない方もいます。
併用禁忌薬や適さない方と別に【併用注意薬】があり、服用には注意が必要です。
該当される方は、併用禁忌薬や適さない方のように服用ができないわけではありませんが、医師へ相談のうえ医師の許可が必要となります。
ご自分が該当する項目はないか、よく把握・理解したうえでアフターピルを検討しましょう。
心当たりのある方、ご不安な方、ご不明な方は、一度かかりつけ担当医に相談しましょう。
アフターピルが適さない人・併用禁忌薬
アフターピルが適さない人
- 疾患肝機能異常、心疾患、腎疾患及びその既往歴の有無を確認することが必要です
- 前兆を伴う片頭痛をもっている
(血栓症のリスクが高まるため、エストロゲンを含む経口避妊薬は禁忌とされています) - 脂質代謝異常(高脂血症)コレステロール、中性脂肪が高いと言われたことがある
(本薬の避妊効果を十分に得られない場合がある) - 本剤の成分に対して過敏症の既往歴がある
(過去にアレルギー症状が出られた方はお控えください) - 乳がん、子宮がん、その他のがんと診断された事がある
(癌は女性ホルモンの影響を受けます。
避妊具などを使用せず性行為することで、パピローマウイルスの感染率が上昇する可能性があります)
※パピローマウイルスは子宮がんの原因となると言われています。 - 手術前4週間から手術後2週間以内の方
(手術内容によりますが、場合によっては重病症を患ってしまう事があるので服用は禁忌とされています) - 重篤な肝障害を患っている
(肝障害が原因で代謝機能が低下している時、アフターピルを服用すると肝臓への負担が通常時より多くかかり、肝障害の症状が憎悪する可能性が十分にあります) - 妊娠中
(極めて稀なケースですが、女性胎児の外性器が男性化、男性胎児の女性化が進み先天性の奇形を生む事があります、また妊娠中に黄疸、持続的なかゆみ、ヘルペスにかかったことがある) - 授乳中
医薬品の成分が母乳から乳汁中に移行することがあり、新生児が飲んでしまう事で悪影響を及ぼす可能性があります。服用後24時間は必ず断乳してください)
併用禁忌薬
- ヴィキラックス配合錠
(C型肝炎の薬) - 抗けいれん薬
(フェノバルビタール、フェニトイン、プリミドン、カルバマゼピンなど) - HIVプロテアーゼ阻害剤
(エファビレンツ、リファブチン、リファンピシンなど) - 抗生物質
(ペニシリン、テトラサイクリンなど) - 非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤
- 副腎皮質ホルモン
(ステロイド) - 糖尿病治療薬
- てんかん治療薬
(プリミドン、フェノバルビタール、フェニトイン、ホスフェニトイン、カルバマゼピン、オクスカルバゼピンおよびバルビツレートなど) - モルヒネ
- 消炎鎮痛剤
- セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)含有食品
セント・ジョーンズ・ワートはサプリメントのひとつです。
その他のサプリメントでも「セイヨウオトギリソウ」が含有されている可能性があります。
(サプリメントに含有されていることもあるのでご注意ください) - 真菌感染症の治療に使用される薬
(グリセオフルビン) ※エラワンのみ該当
併用注意薬
ピルの効果を減弱させる薬剤 | ピルの効果を増強させる薬 |
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・抗生物質
(テトラサイクリン系・ペニシリン系) ・抗てんかん薬 (バルビツール酸系・ヒダントイン系) ・精神刺激薬 (モダフィニル) ・抗結核薬 (リファンピシン、リファブチン) ・抗HIV薬 (非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬・HIVプロテアーゼ阻害薬) |
・解熱鎮痛薬
(アセトアミノフェン) ・抗真菌薬 (フルコナゾール・ボリコナゾール) |
ピルによって効果が減弱する薬 | ピルによって効果が増強する薬 |
・血糖降下薬
・モルヒネ ・解熱鎮痛薬 (アセトアミノフェン) |
・免疫抑制剤
(シクロスポリン) ・副腎皮質ステロイド ・三環系うつ剤 |