妊娠するまでの流れと不妊治療について

女性と男性の性行為により女性の「卵子」と男性の「精子」が受精して妊娠します。

女性ホルモンであるエストロゲン(卵胞ホルモン)は卵胞を成熟させるホルモンです。
体温の上昇、栄養や水分を体に蓄えるなど、妊娠に適した体を作ります。

プロゲステロン(黄体ホルモン)は、受精卵の着床のために子宮内膜を整え、基礎体温を上げる働きがあり、妊娠後は胎児と母体を守るために活動します。

妊娠後のエストロゲンとプロゲステロンは、子宮内膜の形成や骨盤やおっぱいへの血液の供給を増やし、子宮の筋肉層を緩ませます。
これらは妊娠ホルモンであり、女性が妊娠期間中に経験する強い感情やに影響を及ぼします。

赤ちゃんを産んだ後はこれらのホルモンの分泌量は減少していきます。

反対に今、我が国日本では、アフターピルの普及により避妊が容易になり、性交に対する貞操観念が低くなっています。
そのためか、性交時に避妊具を使用せず行うことが横行しています。
その後、不安になった女性が緊急避妊薬(アフターピル)を求めて処方するケースが増えています。

避妊具を使用しない事で性感染症(性病)も比例して増加傾向につながっています。

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現代の日本人女性は、仕事に対し重きを置いている方や、妊娠を簡単に回避できることから、妊娠をすることへの重大さが失われ、妊娠を望まない女性が増加傾向にあります。
もちろん望まない妊娠に対して無理に出産へ向けることはできないでしょう。
ですが中には妊娠したくてもできない方がこの世には多くいらっしゃいます。
そういった背景をよく理解して中絶や緊急避妊薬による避妊をされることを願います。

妊娠までの流れ

妊娠までの流れ

①排卵
卵子を含む"卵胞"は 、月の周期で訪れる月経(生理)に合わせて成長します。
最大で直径20mmほどに育つと卵子として卵巣から放出されることを排卵と言います。
月経周期は【卵胞期】【排卵期】【黄体期】の3つに分かれます。
月経の初期【卵胞期】で卵巣の卵胞が一次卵胞から完全に成熟した卵胞に成熟する発情周期で、この卵胞期を経て排卵を迎えます。
排卵は月経から2週間前後で迎えて5日前後続きます。
②射精
性交によって男性の陰茎から射精された精子が女性の膣から子宮頚管、子宮から卵管へと進み排卵された卵子を待ちます。
通常であれば、1回の射精で1億個以上もの精子が膣内に放出されますが、卵管まで辿り着けるのはほんのわずかです。
膣内に放出された精子の寿命は3日間と言われています。
③受精
卵管に辿り着いたいくつかの精子が卵子と結びつき受精となります。
この時、大半は受精される精子はたった1つですが、一卵性双生児はこの1つの精子が2つということです。
その後、受精卵は細胞分裂を繰り返しながら4~6日を掛けて卵管から子宮に移動します。

④着床
子宮に到着した受精卵は7日目あたりで子宮内膜へ入り込み着床、妊娠段階となり、受精卵ができてからおおよそ12日後に着床が完了、妊娠成立となります。
順調に受精卵が成長すれば、着床開始後、妊娠反応が出ます。

不妊症の対処

妊娠が成立する確率は、健康に問題の無い男女が避妊をせずタイミング(排卵期)を合わせて性交渉した場合の妊娠率20~30%程度です。
12回の月経周期の挑戦で妊娠した人は実に90%と言われています。
つまり、健康なカップルが妊娠しやすい時期に性行為をすると、9割近くが6回目以内で、ほぼすべての人が12回目以内で妊娠することになります。
実際1~2年のうちにカップルが妊娠に至ります。 しかし、およそ10組に1組が不妊症と考えられています。

不妊の原因となる因子

考えられる女性の不妊原因

考えられる女性の不妊原因

排卵因子
卵子を排卵する卵巣機能に問題
卵管因子
クラミジア感染症などにより卵子が精子と出合う卵管が詰まったり、子宮内膜症などで卵管周囲に癒着が起き、卵管が狭くなったり閉塞する。
子宮因子
子宮筋腫や子宮内膜ポリープにより、子宮内膣の変化が原因で受精卵が着床しにくくなる。
頸管因子
子宮の入口の粘膜量が少なくなると射精された精子が卵子に辿り着きにくくなる。

不妊治療の内容

不妊治療

一般不妊治療
タイミング法で妊娠しやすいとされている排卵日の2日前から排卵日までに性交のタイミングを合わせる方法。
6回以上で妊娠しなければ、その後の妊娠率は停滞するため目安は6回以上。
人工授精(2万~3万円※自己負担目安)
採取した精液中から動きの良い精子(運動良好精子)を取り出して濃縮し、妊娠しやすしタイミングで子宮内に直接注入する方法。
体外受精(30万~60万円※自己負担目安)
卵子と精子を同じ培養液の中で培養して受精させ、得られた受精卵を子宮に戻す方法。
顕微授精(30万~60万円※自己負担目安)
動きがよく形の正常な1個の精子を卵子の中に細い針で注入する方法で、卵細胞質内精子注入法が一般的。


高度生殖医療で子どもが生まれる確率は総治療あたり平均で11.7%。
年齢によって異なり、32歳くらいまでは約20%ですが、年齢とともに下降し、40歳を過ぎると7〜8%になる報告がされています。

高度生殖医療による妊娠率

不妊治療それぞれの料金について

方法 料金
一般不妊治療 回/数千円
(保険適応/料金)
人工授精 回/1~3万円
(保険適応外/料金)
体外受精 一般治療工程/20万円前後
(保険適応/料金)
顕微授精 一般治療工程/30万円前後
(保険適応/料金)
ソウハ法
(中絶)
手術時間10分~20前後/ 10~15万円前後
(保険適応外)
電動吸引法
(中絶)
手術時間20分前後/ 10~20万円前後
(保険適応外)
手動真空吸引法
(中絶)
手術時間5分前後/20~50万円 (保険適応外)
低用量ピル
(経口薬)
1ヵ月分/3千円前後
※診察料別 (例外にて保険適応)
ヤッペ法
(緊急避妊法)
回/1万円前後 (保険適応外)
アフターピル
(緊急避妊法)
回/1~2万円前後 (保険適応外)

不妊治療はいくつかの種類がありますが、それぞれの自己負担額も変わってきます。
なお上記で説明した、「一般不妊治療」「体外受精」「顕微授精」については令和4年4月から保険適用になりました。
記載した金額は一般的な工程で掛かる費用です、 このほかにも受診料や追加の薬、通院回数が増えた場合など金額の増減があります。