ED治療薬による頭痛の原因
ED治療薬(バイアグラ、レビトラ、シアリス、ステンドラ、ザイデナ)には血管拡張作用があります。
血管を広げて血の流れを良くして、陰茎海綿体に血液が大量に流れ込むことで勃起現象が起きます。
体内の血管拡張から引き起こされる頭痛は、代表的な副作用のひとつです。
頭痛のしくみについて
頭痛にはさまざまな原因があり、通常は体調不良(風邪など)や筋肉痛などが主な原因です。
頭痛とは本来、頭部周辺の血管や頭につながる神経が圧迫・炎症などの刺激を受け、頭、首周りの筋肉が伸縮され、痛み刺激を痛覚などがキャッチして発生します。
ED治療薬も服用後に脳内の血管も拡張し周りにある神経が刺激されるため、頭痛が生じます。
これはお酒を飲んで生じる頭痛の仕組みと似ています。
日頃からお酒を飲むとよく頭痛がする方はED治療薬を服用しても頭痛を発症しやすい傾向にあります。
頭痛だけではなく、お酒を飲むと顔が赤くなりやすい方はED治療薬の服用でも頬が赤くなりやすい傾向にあります。
ED治療薬での頭痛の発症率
バイアグラ・レビトラ・シアリスなどED治療薬によっても副作用である頭痛の発症率は異なってきます。
効果は強く出たとしても、副作用も強く出てしまうこともあるため、頭痛を起こしやすい人などは特にED治療薬を選択する上で注意したい点でもあります。
シルデナフィル25/50㎎ (バイアグラ) |
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バルデナフィル5/10/20 mg (レビトラ) |
5.59% |
タダラフィル5/10/20 mg (シアリス) |
11.30% |
参考サイト
ED治療ガイドライン第3版 | 日本泌尿器科学会頭痛の対処法
副作用である頭痛への対処法は大きく分けて下記の3つが考えられます。
- 成分量を下げる
- 鎮痛剤の使用
- ED治療薬の種類を変える
ED治療薬を服用中に発生する頭痛は、
ロキソニンやイブ、バファリンなどの街の薬局で購入ができるOTC分類の鎮痛剤で対処を行うのが効果的です。
鎮痛剤の抗炎症作用により、ED治療薬服用時の頭痛を緩和させます。
また、ED治療薬による頭痛は治療薬の成分量が多いほど発生率が高まります。
鎮痛剤以外の頭痛の対処方として、ED治療薬の成分量を下げる方法があります。
しかし成分量を下げる行為はED治療薬の効果を正常に得ることが出来なくなる可能性もあるため、成分量を変更される際は頭痛の対処方法と共に医師に相談しましょう。
「ED治療薬の種類を変える」というのは、上記で説明した頭痛の発症率に関係します。
バイアグラ・レビトラ・シアリスそれぞれで頭痛の発症率が異なります。効果の違いはもちろん、副作用が出るのが最も心配な方はこの発症率の低いED治療薬を選択するのが良いと考えられます。
頭痛薬(鎮痛剤)の種類と特徴
知名度の高い鎮痛剤
ロキソニンシリーズ(ロキソプロフェン)
ロキソニンS
ロキソプロフェンナトリウム水和物 | |
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分類 | 第1類医薬品 |
添加物 | ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸Mg、乳糖水和物、三二酸化鉄 |
服用方法 | 1回1錠 2回まで |
本体価格 | 648円 |
製造元 | 第一三共ヘルスケア |
製品情報 添付文書 説明文書 |
ロキソニンSプレミアム
ロキソプロフェンナトリウム水和物 | |
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他成分 | アリルイソプロピルアセチル尿素
無水カフェイン メタケイ酸アルミン酸マグネシウム |
分類 | 第1類医薬品 |
添加物 | 乳糖、セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、クロスカルメロースNa、ステアリン酸Mg、ヒプロメロース、酸化チタン、タルク、三二酸化鉄、カルナウバロウ |
服用方法 | 1回1錠 2回まで |
本体価格 | 698円 |
製造元 | 第一三共ヘルスケア |
製品情報 添付文書 説明文書 |
イブシリーズ
イブA錠
イブプロフェン | |
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他成分 | アリルイソプロピルアセチル尿素
無水カフェイン |
分類 | 第2類医薬品 |
添加物 | クロスカルメロースNa、無水ケイ酸、セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、マクロゴール、ステアリン酸Mg、タルク、酸化チタン |
服用方法 | 1回2錠 3回まで |
製造元 | エスエス製薬 |
製品情報 添付文書 |
イブクイック頭痛薬DX
イブプロフェン | |
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他成分 | 酸化マグネシウム
アリルイソプロピルアセチル尿素 無水カフェイン |
分類 | 第2類医薬品 |
添加物 | クロスカルメロースNa、無水ケイ酸、セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、マクロゴール、ステアリン酸Mg、タルク、酸化チタン |
服用方法 | 1回2錠 2回まで |
製造元 | エスエス製薬 |
製品情報 添付文書 |
バファリンシリーズ
バファリンプレミアム
イブプロフェン アセトアミノフェン |
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他成分 | アリルイソプロピルアセチル尿素
無水カフェイン 乾燥水酸化アルミニウムゲル |
分類 | 第2類医薬品 |
添加物 | セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、乳酸、D-マンニトール、リン酸二水素K、二酸化ケイ素、ステアリン酸Mg、ポリビニルアルコール(部分けん化物)、タルク、酸化チタン、グリセリン脂肪酸エステル、ラウリル硫酸Na |
服用方法 | 1回2錠 3回まで |
本体価格 | 20錠980円/40錠1,580円/60錠1,980円 |
製造元 | ライオン株式会社 |
製品情報 添付文書 |
バファリンプレミアムDX
イブプロフェン アセトアミノフェン |
|
---|---|
他成分 | 無水カフェイン
乾燥水酸化アルミニウムゲル |
分類 | 第2類医薬品 |
添加物 | セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、乳酸、D-マンニトール、リン酸二水素K、二酸化ケイ素、ステアリン酸Mg、ポリビニルアルコール(部分けん化物)、タルク、酸化チタン、グリセリン脂肪酸エステル、ラウリル硫酸Na |
服用方法 | 1回2錠 基本2回まで(症状がおさまらない場合3回まで可) |
本体価格 | 20錠1,080円/40錠1,780円/60錠2,280円 |
製造元 | ライオン株式会社 |
製品情報 添付文書 |
頭痛に有効な成分
痛み止めや解熱に使用される成分として「ロキソプロフェン」「イブプロフェン」「アセトアミノフェン」はご存じの方も多いかと思います。
それぞれ特徴が異なり、1つのお薬に複数の成分が含まれている場合もあります。
成分名 | ロキソプロフェン | イブプロフェン | アセトアミノフェン |
---|---|---|---|
分類 | 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs) | 非ピリン系解熱鎮痛薬 | |
鎮痛作用 | 比較的強い | 比較的弱い | |
抗炎症作用 | あり | なし | |
副作用 | 吐き気、食慾不振、発疹などに注意 | 肝障害に注意 | |
15歳未満 | 使用不可✕ | 市販では使用不可・病院処方は可能△ | 使用可能〇 |
ロキソプロフェン
腸から吸収され作用する成分であるため胃への負担が少ない、「プロドラッグ」と呼ばれるタイプであり、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)に分類されます。
第一類医薬品に該当するため薬剤師がいる店舗や許可を得ている通販サイトでしか購入できません。比較的鎮痛作用が強いですが、副作用の発現に注意すべき薬です。
イブプロフェン
ロキソプロフェンと同様に非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)に分類されます。痛みや炎症の原因となる物質の生成を抑える効果があります。副作用は比較的大差ないですが、作用はロキソプロフェンの方が同容量では強いとされています。
アセトアミノフェン
アセトアミノフェンは非ピリン系解熱鎮痛薬に分類されます。脳の中枢神経に作用して熱を外に排出する働きかけがされると考えられています。
比較的安全性が高く、子供でも服用が可能です。胃腸障害が少ないとされていますが、肝臓への負担に注意する必要があります。
ロキソプロフェンやイブプロフェンに比べて鎮痛作用が弱いです。
鎮痛剤服用のタイミング
鎮痛剤服用のタイミングは、ED治療薬の作用時間の関係からED治療薬と同時に服用いただくのがベストです。
しかし、ED治療薬は空腹時に服用するのが効果的に対して、ロキソニンなどの鎮痛剤は空腹時に服用すると胃粘膜を荒らす副作用があります。
頭痛薬の成分によって胃腸への負担の度合いは変わってきますが、一般的には少なからず胃の粘膜にダメージがあることは頭に入れておくとよいでしょう。
頭痛が酷く、鎮痛剤を使用する場合には胃腸薬も併せて使用するという手もあります。
鎮痛剤を併用する時の注意点
- 鎮痛剤は服用後15~20分くらいで効果が出て作用時間は約4~5時間です。ED治療薬と同時に服用して下さい。
- 鎮痛剤を続けて服用する場合は4時間の間隔をあけて下さい。1日に服用できる錠数は60mgを3回(3錠:180mg)までとなります。
- 胃の弱い人は副作用で胃痛が出る可能性があるので胃薬と一緒に服用して下さい。
- 鎮痛剤を服用しても全く痛みが緩和されない場合が続くようであれば、服用を中止して医師にご相談下さい。
鎮痛剤を併用できない方
- 重篤な血液異常がある
(血小板機能障害を起こし、悪化するおそれがある方) - 重篤な肝障害がある
(肝障害が報告されており、悪化するおそれがある方) - 重篤な腎障害がある
(急性腎不全、ネフローゼ症候群等の副作用を発現することがある方) - 重篤な心機能不全がある
(腎のプロスタグランジン生合成抑制により浮腫、循環体液量の増加、心臓の仕事量が増加して症状を悪化させるおそれがある方) - 消化性潰瘍がある
(プロスタグランジン生合成抑制により、胃の血流量が減少し消化性潰瘍が悪化することがある方) - 本剤の成分に過敏症の既往歴がある方
- アスピリン喘息
・(非ステロイド性消炎鎮痛剤等による喘息発作の誘発)又はその既往歴のある方
・(アスピリン喘息発作を誘発することがある方) - 15歳未満の小児
鎮痛剤の種類によっても、若干の違いがあることがあります。
取扱注意点に気をつけて、不明な点や不安なことがございましたら医師や薬剤師にご相談下さい。