AGA治療薬は通販(楽天・Amazon)や個人輸入代行で購入可能なのか?

AGAの治療には長期の治療期間と高額となる費用が必要になります。

比較的安価な通販や海外の輸入薬を個人輸入で入手されようとされる方も少なくありません。
皆さんも一度は考えたことありませんか?

では、本当に通販・個人輸入代行で購入ができるのか?
そして、海外医薬品の安全面は?アフターケアは?しっかりガイドラインが整っているのか。

AGAの処方・購入

AGA治療薬となるプロペシア・ザガーロ・ミノキシジルの3種類と、それに付随するそれぞれのジェネリックは、クリニックか病院での処方が必要となります。

これは第1~第3医薬品に分類されない「処方薬」であるためです。 ミノキシジルは有効成分の含有量が5%までの物であれば市販薬品(OTC)として購入することができます。

しかし、購入できるミノキシジルの薬剤タイプは外用薬のみになります。

インターネットによるAGA治療薬の購入

AGA治療薬を通販で購入

結論からお話しすると購入することはできません。

日本の大手通販会社と言えば、楽天や、Amazon、yahooなどが有名ですが、どちらを利用されても購入することはできません。

前記でもお話ししたようにAGA治療薬は処方薬です。 通販で取り扱うことは、日本の薬機法(旧:薬事法)により取り扱うことを禁じられています。

AGA治療薬を個人輸入代行で購入

個人輸入代行の利用でAGA治療薬の購入は可能です。

インターネット検索で「通販・AGA」などで出てくるサイトはすべて個人輸入代行です。

その他、クリニックのオンライン診療による購入の案内で「通販」というキーワードが使用されています。 皆さんは通販と聞くと購入後すぐにお手元に届くと思われませんか?

海外からの発送で、入金後に発送されるため、到着までには2週間前後の日数がかかります。

AGA治療薬が国内通販で購入できない理由

プロペシアジェネリック、ザガーロジェネリックなどのAGA治療薬の処方には、医師による処方箋が必要になります。
そのため国内の通販では処方箋がないため、薬機法によりプロペシアジェネリック、ザガーロジェネリックを取り扱うことが出来ません。 個人輸入代行の場合は、薬剤は海外からの発送になります。
自ら薬剤を輸入し自己責任で薬剤を使用することは認められていますが、到着までに時間がかかることや、万が一破損した状態で届いた時などに保証がありません。
このように、自己責任である個人輸入代行で購入することは、様々なリスクが付きまとうため推奨できません。
前川クリニックでのオンライン診療の場合は、専門医による診療をオンラインで受けることができるので安心・安全且つ、最短即日発送で迅速な対応が可能となっております。

とても危険な個人輸入代行

個人輸入代行全てに該当するわけではございませんが、中には悪徳な業者が存在するなど、利用にはかなりのリスクが及ぶため大変危険です。
ではどんな危険があるのか?

危険1.入金後、連絡が途絶える

個人輸入代行はすべて入金が「先払い」ということです。
この入金が確認されてから、海外の荷物(医薬品)が動きはじめます。

しかし、悪徳業者につかまると入金したものの業者と連絡がつかないことや、連絡が取れても、
いつまでも荷物が届かないという被害が多発しているようです。

危険2.製薬会社の存在確認

製薬会社の名前の記載などの表記があるようですが、実際のところ本当に実在しているのか?と
不安になりますが、一般の方が調査しようしてもとても困難を極めます。

ホームページを確認するも海外の製薬会社のため、通常の検索エンジンでは引っかからないなど、事実調査は大変なようです。

実際に製薬会社が存在しても、認可を得ていない薬は、いかにその製薬会社が製薬した『正規品』と言われても、認可を得ていない薬は、大変危険です。

危険3.自己責任・自己判断による服用

通常、病院やクリニックでは専門医師が問診を行い診断の結果、それに準じた処方を行い
「処方箋」というものがだされます。

この処方箋は、診察を行った医師が患者様の症状や状況から適切な量の治療薬を出すための『証明書』でもあるため、何かあった場合には担当医師の責任に関わってきます。

そのため、薬を飲むことがリスクになる場合、患者様に十分な説明をして、患者様の理解と了承を得て処方する『インフォームドコンセント』などがあります。

しかし、個人輸入代行の場合、『自己判断』と『自己責任』の元、購入しなくてはなりません。

つまり、服用後、副作用などにより、健康被害が生じてしまっても自己責任になるため、自己判断による服用による、副作用で健康被害が生じても、国からの支援(※下記の医薬品副作用被害救済制度にジャンプ)が受けられません。

また、緊急搬送された時、処方箋から何を飲んでどうなったのかなど、搬送先での対処が速やかに行えますが、個人輸入代行で購入した医薬品には処方箋がないため、搬送先での対処が遅れ、後遺症が残ってしまったり、最悪の場合、生命に関わる重篤な症状に見舞われてしまいます。

医薬品の真偽

個人輸入代行を利用するうえで、最重要と言っていいほど気になる、医薬品が本物かどうか?
といったシビアな点です。

過去、厚生労働省の調査により、日本に輸入された医薬品の6割が「偽薬=にせもの」だったという報告があります。
偽物というのは、「成分が充分に含有されていない」、「粗悪な環境で作られてたことによる不純物の混入」、「異なる成分での製薬」など。

個人輸入代行の利用に、厚生労働省が注意喚起を促しています。

先発薬、後発品(ジェネリック)はすべて、その国で承認(認められた)されたものだけが製造・
販売・輸入を行うことができます。

偽薬と言われるものはすべて、認可されていない許可の得ていない言わば違法薬品です。

全ての個人輸入に当てはまることではありませんが、偽物の割合を考えると、ちゃんとした安全な個人輸入会社を見つけるのは、しばし困難なことにも思えます。

価格(料金)について

病院やクリニックでの処方ではかなり高額になるところもあります。

いろいろな治療オプションをつけた年間の治療で7~80万かかるところも存在します。

もちろんAGA治療は今や、ポピュラーな治療になり、その流れに乗って、AGA治療のクリニックや病院が軒並み開院していることから、価格競争が起き、以前の治療費に比べて安価になってきているのも事実です。

そんなAGA市場でも、個人輸入代行の価格はとても安価なため、治療を継続しなくてはならないAGA症状を患った方にとって、個人輸入代行の価格は魅力的な点だと思われます。

しかし、これまでお話しした内容を考えるとその価格が本当にあなたにとって良い物なのか?
果たして価格が安いというだけの安直な考えで本当に良いのか。
よくお考えいただいた方が良いと思います。

副作用のアフターケア

薬には副作用というものがどうしても起こり得てしまいます。
起こり得るというのは、必ず発現してしまうというわけではなく、「付き物」ということです。

処方薬のような成分量の多い(強い)医薬品や、薬剤師の指導が必要な「第Ⅰ薬品」に分類される薬剤になると副作用は、発現しやすくなります。

また、AGAの治療薬には、既往歴や体質から服用が適さない(飲めない)方、または併用禁忌に該当される、併用禁忌に指定される薬を服用されている方は、AGA治療薬の服用ができません。

このようにAGA治療薬は、全ての方に行える治療ではないということです。

万が一、禁忌とされている項目に該当される方がAGA治療薬を飲んでしまうと、通常よりも副作用が強く出てしまう、または起こり得ない副作用が発現してしまった、というケースに見舞われてしまい、最悪の場合、緊急を要するほど体調が悪くなり、健康被害が生じてしまうかもしれません。

そこで、この個人輸入代行に関する医薬品ですが、前述でもご説明の通り医薬品が『偽薬』だったり、薬を粗悪な環境下で作られたことで混入される『不純加工物』などの影響により、健康被害が生じてしまうかもしれません。

クリニックや病院で、本来の正しい形で処方を行い、医師指導の下服用した薬で強い副作用などで健康被害が生じた場合は国からの支援を受けることができます。

それが『医薬品副作用被害救済制度』です。

医薬品副作用被害救済制度について

医薬品副作用被害救済制度は、医薬品を適正に使用したにもかかわらず、入院治療が必要なほど副作用が生じて、医療費や障害年金などの健康被害について救済給付を行う公的な制度です。

日本はこのように、健康被害者に対するガイドラインがしっかりとしかれています。

しかし、個人輸入を利用して、自己判断による個人的使用で引き起こされた副作用への副作用被害救済制度は、適用外となるため自己負担となります。

もちろん、10割負担などではなく、保険が適用される対処内容であれば3割の医療費となり、
副作用被害救済制度は、その費用に関わる医療費のサポートが国からされるということです。

まとめ

こちらではAGA治療薬の通販・個人輸入代行についてご説明してまいりました。

まず、通販でAGA治療薬を購入いただけません。

もちろんAGA治療薬だけではなく、処方薬と言われる医師の指示が必要な薬は通販で購入することはできません。

病院・クリニック以外で入手する場合、個人輸入会社を利用することで処方薬でも海外から輸入することができますが、そこには色々と大きなリスクが伴うということ。

偽薬や不純物混入、入金しても商品が届かない詐欺。
そして、万が一服用した薬によって、健康被害が生じてしまった場合、国からの副作用被害救済制度の支援を受けることはできません。

皆さんはそれでも、値段が安いからという安直な先入観だけで通販や個人輸入を利用されますか?