早漏(PE)とは
早漏と呼ばれる症状で国際的な定義は以下の3つです。
- 性行為時の射精が毎回、性交為直前もしくは性交為開始後60秒以内に起こる。
- 性交為中に自分の意志で射精を遅らせることが不可能な状態である。
- 性行為時に射精が早いことがストレスや苦痛に感じ、自ら性行為を避けるようになる。
性交為開始後60秒以内に射精してしまう場合は単純に早漏とされていますが、性交為時間が60秒以上の場合でもその時間が短いと感じストレスになっている場合も早漏だと言えます。
早漏の男性の約20%が加齢とともに症状がより重症化する方が増えております。
早漏患者の約30%がEDを合併しているというデータは、「勃起しているうちに射精しようという焦りから、激しく陰茎を刺激することで早漏となる」ということになります。
通常の場合は、性的な刺激が脳に伝達された後、身体が射精の準備を開始します。
しかし、過敏性早漏の人は陰茎の神経が極度に敏感な為、脳で性的刺激を感じる前に外部からの刺激だけで性的興奮がピークに達し、射精してしまいます。
健康的で勃起力、性欲共に強い10代、20代に多い傾向にあります。
過去の性行為で早く射精してしまった経験があり、「次の性行為でもすぐに射精してしまうかもしれない」という気持ちが強いストレスとなり、交感神経を活発化させ、興奮状態になりやすく勃起・射精しやすくなってしまいます。
また心や体をリラックスさせてくれる脳内物質、セロトニンが不足している場合も性的興奮状態になりやすくなってしまい、早漏になることがあると言われています。
男性の場合、年齢を重ねると男性ホルモンが減り射精管閉鎖筋(射精をコントロールする筋肉)が衰弱し射精が我慢できなくなってしまいます。 また衰弱性早漏の場合、射精する勢いも弱くなります。
40代、50代ぐらいの中年以降の男性に多く見られる症状となっています。
経口型早漏防止薬
プリリジーは、世界初の経口摂取型「早漏治療薬」で有効成分はダポキセチンです。
ダポキセチンはSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)に分類される抗うつ剤として用いられていました。
そんな中、SSRIを治療としてうつ病患者へダポキセチンを投与していたところ、多くの患者に射精時間の延長といういわゆる副作用があらわれたことでその早漏改善効果が注目されるようになり、更なる研究や試験、開発が進められていったという経緯があります。
そしてSSRIは抗うつ剤の中では副作用が少なく、安全性が高いこともあり、適応外である早漏の改善目的に度々使用されるようになりました。
こうしてダポキセチンが登場したことにより、早漏治療という概念が大きく変わり、現在ダポキセチンの使用はその有効性の高さから早漏の標準治療としての第一選択となっています。
性行為の際の異常な興奮を抑える事により、普段は我慢できない性的刺激に耐えることが可能になったり、射精のタイミングをある程度コントロールできるようになる効果が期待できます。早漏(PE)の具体的な診断基準は以下のようなものです。
早漏改善に有効とされるダポキセチンが登場したことにより、治療という概念が大きく変わり、現在ダポキセチンの使用はその有効性の高さから早漏の標準治療としての第一選択になっています。
- 膣内挿入後、射精までに所要する時間が2分以内。
- 膣内への挿入前、挿入途中、挿入直後のいずれかの時点で、本人の意思に反して、最小の性的刺激で射精してしまい、これが反復ないし持続する状態。
- PEの結果、著明な人間関係の問題や精神的苦痛を引き起こしている状態。
- 射精のコントロールが不能。
上記4項目の全てを満たすと医学的には早漏症(PE)と診断されますが、いずれかだけにしか当てはまらなくても治療の対象になりえます。
一番大事なことは本人が射精までにかかる時間が短くなることで悩んでいるかどうかです。
非常に効き目が早く性行為の1時間前の内服で早漏改善効果が得られます。有効率は約70%で毎日服用される必要はありません。
性行為の1時間前に服用した場合、射精までにかかる時間を3~5倍程度延長することができます。EDでお悩みのご患者様の中で3分の1の割合で、EDと早漏(PE)を合併しているケースが見られます。また、ED治療薬との併用は可能ですので併用をご考えの方はお気軽にお申しつけください。
ダポキセチンの効果
「ダポキセチン」は服薬後1~2時間後に効果が発現し、3~5時間程度効果が作用します。ダポキセチンは、脳内で分泌される神経伝達物質のセロトニンが減少することを防ぎ、射精するまでの時間を遅らせる効果があります。
セロトニンとは、アドレナリンの働きを制御させ、脳神経をリラックスさせる物質のことです。つまり、「脳で射精に関係するホルモンを調節する薬剤」ということです。
射精をコントロール
性的刺激により脳から指令が出されると、精子は「精管」に押し出され、「精管膨大部」へと運ばれます。
その後、「精嚢」や「前立腺」からの分泌液と混じって精液となり、尿道から体外へと放出されます。
この射精には脳内のセロトニンが大きく関与しています。
セロトニンの分泌をコントロールするSSRIを用いる、つまりSSRI(ダポキセチン)は、シナプス前細胞のセロトニントランスポーターに選択的に作用し、セロトニン再取り込みを阻害することで、作用するセロトニン量を高める効果のある成分になります。 セロトニン濃度の上昇はノルアドレナリン分泌の制御に繋がり、脳の過剰な興奮を抑え、射精をコントロールすることができるわけです。
服用方法と副作用
ダポキセチンの服用方法
性行為の1~2時間前に1錠服用してください。服用の際は水またはぬるま湯で服用し、服用後は必ず24時間の間隔をあけてください。食事の影響につきまては、食前・食後共に影響はございませんので服用しやすいお薬です。また、ED治療薬との併用も問題ございませんので、使い勝手に優れた製品になります。
ダポキセチンの副作用
下記項目が主な副作用になります。※副作用の頻度は1~10%と低い数値になります。
- 動悸
- 軽い頭痛
- めまい
- 鼻づまり
- 胃もたれ
また、脱水症状がある時に早漏症治療薬を服用した際、下記の様な副作用を感じる事がよくあります。
- 高熱
- 嘔吐
- 下痢
必ず十分な水分と一緒に服用して下さい。
これらは、基本的には気にならない程度ですが、我慢できないほど強く感じる場合は医師にご相談ください。
※副作用には個人差があり、症状を感じる方もいれば、感じない方もいます。
ダポキセチンは副作用が少なく、大規模臨床試験の結果から高い安心性が認められているため、発生したとしても重篤になる可能性は極めて低いです。
しかし、ダポキセチンの長期的な安全性については、まだいくつかの未確認の問題点があります。
例えば、ある研究では、ダポキセチンの服用が勃起不全(ED)のリスクを高める可能性を示唆しています。
ですが、他の研究ではそのような関連性は見出されていないため明確にされていません。
重度の副作用が現れたり、似たような症状が現れる場合はそのまま放置せず必ず当院または主治医にご相談の上使用してください。
併用禁忌薬
抗うつ剤(SSRI等)、睡眠薬、鎮痛剤、新抗菌薬(水虫治療薬)、抗ウイルス薬(HIV治療薬)、MAO阻害剤 また現在服用されている薬があり成分が不安な方は、お薬名を分かるようにしていただき、必ずご相談ください。
早漏防止薬を適さない方
- 20歳未満および65歳以上の方
- 今までに早漏症治療薬を使用してアレルギー症状が出た方
- NYHAⅡ~Ⅳの心不全の方
- 恒久的ペースメーカー治療を受けていない方
- 洞不全症候群の方
- 重度の虚血性心の方
- チオリダジンを服用中の方
- 重度の肝障害の方
- ダポキセチンにて過敏症を起こしたことのある方
- 心筋梗塞、脳梗塞、心臓弁膜症などの既往歴のある方
- 女性の方
過去にダポキセチンで過敏症を起こしたことのある方は、再度過敏症を引き起こす危険性があるため服用できません。
また、日常生活において支障があり、現在うつ病などの精神疾患を患っている方も同様に服用してはいけません。
重度の肝障害を患っている方は、ダポキセチンの効果によって血中濃度が上がる危険性があるため、服用できません。
未成年である20歳以下、また65歳以上の高齢者の場合は、安全性が確立されていないため、服用しないで下さい。
よくある質問
早漏治療薬とED治療薬は同時に飲んで大丈夫なのでしょうか?
早漏治療薬とED治療薬に相互作用はありません。併用していただいて問題ありません。
早漏防止薬はなぜ効くの?
早漏防止薬は、射精の指令を出すノルアドレナリンという神経伝達物質を抑制するセロトニンという神経伝達物質を増加させ、射精までの時間を延長させる効果が見込めます。
早漏防止薬とED治療薬に依存性はあるのでしょうか?
どちらの薬剤も依存性はありません。
早漏の効果を感じることが出来ませんでした。2錠服用しても大丈夫でしょうか?
服用できません。1日1錠、続けて服用いただく場合は、必ず24時間の間隔を空けてから服用するようにしてください。
早漏防止薬とED治療薬はどのくらい前に服用すればいいですか?
早漏防止薬とED治療薬は性行為の約1時間前に服用してください。