身体的症状の詳しい原因と各症状の種類
【PMS月経前症候群】

PMSとは月経前に起こる諸症状のことで、それらは200種類以上もあります。
この記事では身体的症状を中心に症状が起きる仕組みと出来る対処方法について解説していきます。

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PMSとは?

PMS症状 「頭痛」

脈を打つような痛みが特徴の頭痛。頭部の片側だけがキーンと痛みます。
他にも月経直前に症状がひどくなり、頭痛薬が効かないことがあります。 痛みが激しくなり別の症状である吐き気を催してしまうこともあるでしょう。

頭痛の原因

月経前に女性ホルモンのエストロゲン(黄体ホルモン)の分泌量が低下して血管の収縮拡張が生じ、頭痛を引き起こしやすくなるためです。
これは、月経前の身体に水分が「溜まりやすくなる」のが頭痛の原因になるとされています。

頭痛の種類

一次性頭痛

緊張型頭痛

頭が締め付けられるような痛みになります。 長時間同じ姿勢を保ったままによることで首や頭の筋肉へストレスがかかり引き起こすことや、精神的ストレスでも緊張型頭痛を感じることがあります。
その他、目を酷使したことで疲労が筋肉の凝りを引き起こして痛むことがあります。 これらは、頭部周辺の血行が悪くなることで起こると言われています。

  • 後頭部あたりから頭全体が締めつけられるような痛み
  • 連日一定の鈍い痛みが一日中続く
  • 肩や首にコリを感じる
  • デスクワークなどでパソコンを使っていると痛む
  • 軽いめまいを起こすことがある
  • 首周りを温めるとラクになる
緊張型頭痛

ズキズキとした脈を強く打つような痛みが特徴です。 中には鈍器で叩かれているような痛みと表現することもあります。
女性は男性の約3倍、多くみられる頭痛の一種です。 片頭痛は血管が拡張して、脳に血液が多く流れ込むことで引き起こされます。
そしてこの片頭痛は、生理周期に関連して引き起こす症例が多いです。
まさにPMSで起こる頭痛はこの片頭痛です。

排卵期などに起こすこともあり、女性ホルモンが関連しているのではないかと考えられています。
また、この片頭痛が原因で吐き気を感じたり、光や音に敏感になることが多くあります。
引き起こす原因は他にもあり、ストレスや疲労、寝すぎてしまったり逆に寝不足などの不規則な睡眠、梅雨、台風時期の低気圧の気候、季節の変わり目などがきっかけになることもあります。 稀に、空腹が原因で引き起こす場合もありますので、ダイエット時などによく感じる人がいます。

  • “ズキンズキン”という波打つ強い痛み
  • 前兆でチカチカした光が見える場合がある
  • 月に1~2回起きる
    ※俗に言われる“片頭痛持ち”とはこれに当てはまります。
  • 運動時など、体を激しく動かすとガンガンと響く

二次性頭痛

この二次性頭痛は何らかの疾患により起こされる頭痛です。
アルコールによる二日酔いが原因の場合もありますが、くも膜下出血や脳腫瘍などの脳に関する大きな疾患が原因で、頭痛が引き起こされている場合があります。
その他、精神疾患による頭痛であることや、高血圧が原因であることなど8種類ほどに分類されます。

PMS症状 「下腹部の痛み」

下腹部がチクチクと痛み、仕事に集中できない・生活に支障が出てしまう症状があります。 便を催している訳ではないのに、痛みに波があり長時間痛みが続くこともあります。

下腹部痛の原因

月経前と始まる頃に子宮は収縮して、周囲の臓器へも影響を与えることや、 腸壁に水分が溜まることが原因とも言われています。

女性の下腹部の痛みは大きく分けて4種類あります。 子宮内膜症、子宮腺筋症、子宮筋腫、多嚢胞性卵巣症候群の4つです。
下記のページで詳しく解説してます。

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女性特有の下腹部痛・子宮に関する症状についてはこちら

PMS症状 「めまい」

運動をしたわけでもないのに、胸がドキドキしたり動悸が激しくなったり、歩行中にフラフラとしてしまう、酷いときには倒れてしまうような症状があります。

めまいの原因

仕事や家庭などその人の環境によるストレスや疲労が原因と考えられますが、中には内耳に平衡を司るところに水が溜まっていることで平衡感覚が失われる、または崩れることが原因であるとされます。

めまいの種類

めまいと一言でいってもめまいには大きく3種類に分けられます。

目が“ぐるぐる”回る『回転性めまい
“ふわふわ”と浮遊感を感じる『浮動性又は動揺性めまい
典型的な“クラッ”とくる『立ち眩み性めまい
それぞれの症状には原因も異なります。
PMSは3つ目の『立ち眩み性めまい』に該当することが多いようですが、その他の症状によるめまいの場合、立ち眩み性めまいだけが原因ではありません。
ご自分のPMS症状がそれに該当するか把握して改善に向け対策をしましょう。

回転性めまい

自分が動かずとも周囲の景色がぐるぐると回っているような感覚がある状態を『回転性めまい』という症状に分類されます。
この場合、内耳が原因と言われているので症状が出た時は耳鼻科咽喉科を受診しましょう。

【耳鳴りや難聴の症状がある】

内耳を満たしているリンパ液が過剰になり、耳の蝸牛(かぎゅう)と呼ばれる部分が膨れ上がる「内リンパ水腫」により平衡感覚を保つ、三半規管(さんはんきかん)の機能が乱れて起こる“メニエール病”、“突発性難聴”が疑われます。 メニエール病は厄介でめまいが30分以上続いてしまうことや、耳鳴り、耳が詰まっている感じ、難聴を同時に起こします。
症状があまりにも強く出てくると冷や汗、吐き気を起こし最悪の場合、嘔吐してしまう事もあります。 メニエール病の発作は何度も繰り返し発症します。 発作は繰り返すことでめまいは収まっても、難聴症状や耳鳴りが残る場合があります。
メニエール病の治療は血流改善剤・利尿薬・精神安定剤・自律神経調整剤などを用いて治療します。 または、水分を普段より多めにとるという『飲水療法』をすすめている病院もあります。

【耳鳴りや難聴の症状なし】

この場合一番多いのは、“良性発作性頭位めまい症”という疾患が疑われます。
「耳石(じせき)」という平衡感覚を感知するための組織がはがれ落ちて、三半規管の中に入ってしまうことで耳石が神経を刺激し、回転性めまいを引き起こします。
良性発作性頭位めまい症の特徴は、寝ているところから急に起き上がったり、寝返りを打ったとき、ふと上を向いたとき、下を向いたときなどに起こりやすく、数秒~数分で落ち着きます。 良性であるため症状は次第に改善していきます。
理学療法や体操で頭の位置を動かすと有効な場合があります。

浮動性(動揺性)めまい

回転性めまいのように周りが動いているようなものとは異なり、自分自身の身体がふわふわと浮遊しているような感覚によるめまいで、浮遊感を感じるため姿勢を自然に保ったまま、真っすぐ前進することが困難になります。
浮動性(動揺性)めまいの原因は、4つに分かれます。

中枢性めまい

中枢と言われるように、脳に関係するめまいで、その中でも小脳や脳幹障害が原因で発症します。
これは、脳梗塞や脳内出血などの大きな脳疾患が原因の可能性があります。
激しい頭痛や嘔吐、手足のしびれや脱力感を伴う場合はすぐに病院で診察を受けましょう。

全身性めまい

全身性めまいはその名の通り、身体全体の問題から発生するものです。 「自律神経失調症」は最も多い要因のひとつです。 他の原因では、貧血や発熱などが挙げられます。

薬剤性めまい

現在服用している薬の副作用により浮動性(動揺性)めまいを引き起こしている場合があります。
特に抗生物質や精神安定剤、降圧剤などが出やすいといわれています。 市販薬でも出ることがあります。
薬を服用してめまいが出ている人は、担当医師や薬剤師に相談しましょう。

心因性めまい

心因性の場合、いままで説明した3つの要因ではない他の原因が考えられますが、明確な原因がわからなく「心因性」つまり精神的な内面による可能性があります。
ストレスや自律神経の乱れが内耳や脳幹の機能に悪影響をもたらすことで発症するとされます。
心因性の場合、ストレスとなっている原因を根本的に改善しなくてはなりません。
長期に渡る場合、うつ病や自律神経失調症につながる恐れがあるので、心療内科へ相談しましょう。

立ち眩み性めまい

PMS症状で多くの人に出る立ちくらみのようなめまいはPMS出ない人でも経験された方はとても多いと思います。 急に立ち上がったり、湯船から出たとき、視界が一瞬真っ暗になることがあります。
これは、脳に流れる血液量が一時、不足してしまうことで起こるとされます。 体の血圧は自律神経が調整をしています。
ストレスや疲労が原因で、自律神経が乱れ、血圧の調整がうまくできなくなり症状があらわれます。

  • 突然のめまいは大変危険です。
    PMSだから仕方がないなど安易な考えではいけません。
    周りに誰もいなかったり、めまいで倒れた際に頭部を強く打ってしまうこと、山登り中など環境によっては取り返しのつかないことになるかもしれません。
    「たかがめまい」と軽視せず、症状が長引いたり、症状が頻繁に起きているようであれば、一度病院で検査してみましょう。 その他の疾患が見つかることがあります。

PMS症状 「体重増加」

月経前になると洋服がきつくなり、体重が増加していることがあります。
ですが、月経が始まると元の体重に戻っているといったように月経前から開始の間で体重の変動がある場合があります。

体重増加の原因

月経前になると体が妊娠に備えて栄養を蓄えようと、普段と比べて脂肪の燃焼がされにくいことや、黄体ホルモンであるプロゲステロンが水分を体内に貯留させる作用があること、血糖値が下がることで血糖値を上げようと食欲が増進するなどの理由があります。
体重の増加量はだいたいの方が、2~4kgの範囲で増加します。

PMS症状 「吐き気」

月経前になると吐き気を催してしまい、食事への影響が出てしまう。移動が辛かったり、約束事や予定が月経前は立てにくいなど日常生活で吐き気が症状としてあります。
酷いときには吐いてしまうこともある場合があります。

吐き気の原因

PMSで吐き気が生じる原因は、現在明確には解明されていません。
しかし、PMSが起こる生理3~10日前 は「 黄体期 」と呼ばれる時期になり、この時期は子宮内膜を着床に適した状態に成熟 させるプロゲステロン(黄体ホルモン)と呼ばれるホルモンの分泌が多くなります。
このプロゲステロンには、胃腸の動きを鈍くする作用があります。
その結果、 便秘やお腹の張り が起こりやすくなり、 吐き気や気持ち悪さを引き起こすのでは考えられています。

それ以外の原因での吐き気・嘔吐は、暴飲暴食や乗り物酔い、ストレスなどの日常生活上の原因で起こる場合もあれば、急性胃炎や胃潰瘍・十二指腸潰瘍などの消化管の病気、また脳出血や脳腫瘍などの脳の病気、ウイルス性によって引き起こされます。

PMS症状 「疲れ・だるさ(倦怠感)」

月経前は身体が怠くなり、何をするにも身体が重く億劫になりがちです。
十分な睡眠をとっているのにも関わらず疲れが取れず意欲がわかなくなるような症状があります。

疲れ・だるさの原因

「黄体ホルモン(エストロゲン)」「卵胞ホルモン(プロゲステロン)」の変化が大きくみられます。
そこに関連してセロトニンなどの物質分泌が影響して発症するのでは、というのが有力といわれておりますが、未だ解明されておりません。
排卵前の黄体期に血糖値が上昇しやすくなる可能性があり、その血糖値の上昇が急激な変化、症状悪化につながる原因と考えられます。

女性ホルモンの乱れ

これはPMS症状の原因のひとつです。
月経前症候群と言われるだけに、月経(生理)の1週間前からこの症状に悩まされ、その症状は200種類以上にも及びます。
女性の実に70%がこのPMSに悩まされているという研究データがあるほど、女性にとってはとても身近なものです。

疲れ・だるさの種類

生活習慣

家庭や仕事など、働きすぎると、リフレッシュすることなく疲労ばかりが蓄積されます。
残業や、日々の仕事で追われていることでストレスを感じ、生産性が下がり対人関係にも悪影響を及ぼすなど、悪循環が続いてしまい、体調不良や睡眠不足が原因で、食欲不振にも陥ってしまうことも十分にあります。
自律神経の乱れを起こし、女性はさまざまなPMS症状に連結していきます。

ストレス

プレッシャーや対人関係による悩み、住居環境の変化、結婚や出産による生活の変化など、人は日常的にストレスを感じる環境に常に立っています。
ストレスにより自律神経が乱れ、だるさ(倦怠感)を感じ行動が億劫になります。
住居環境の変化による原因は、新しい環境に適応してくれば、自然とだるさ(倦怠感)が解消されることが期待できます。
しかし、対人関係の悩みによる原因は、解決に時間もかかります。 放置したままだと、うつ病などの精神疾患につながる危険性があります。
周囲に相談することや、心療内科や専門医のもとでカウンセリングを行うこと、リフレッシュのための時間を作り、長い時間をかけず短期間で解決できる施策を実行しましょう。

考えられる主な疾患

貧血

鉄分の不足などによって、血液の中で酸素を運ぶヘモグロビンが減少すると、体のすみずみまで酸素が届けられなくなり、だるさ(倦怠感)を感じます。
ヘモグロビンの数値が女性は12.0g/dL以下になると貧血とされています。

風邪

ウイルスや細菌などが体内に侵入すると、体がこれらを排除しようと免疫機能を活性化させて、免疫系の物質が作用のために、発熱やだるさ(倦怠感)が起こります。

急性肝炎

肝炎の原因にはウイルス、薬剤、アルコールなどがあり、この中で多いのはウイルスによるものです。
急に頭痛、発熱、のどの痛みなど、風邪のような症状があらわれ、褐色の尿が出るようになり、倦怠感を感じだします。

更年期障害

更年期を迎えると、女性ホルモンの分泌が著しく低下します。
社会的・心理的要因などが、疲れやだるさ(倦怠感)を感じるようになり、他にも不眠、肩こり、イライラなど、精神と肉体にさまざまな症状がでます。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)

ひと晩の睡眠で10秒以上の無呼吸が30回以上、または1時間あたり5回以上起こります。 就寝中に大きないびきをかくのが特徴です。
睡眠の質が悪く、睡眠時間を十分にとっても疲れがとれないことで、だるさ(倦怠感)を感じます。

うつ病

気分の落ち込み、不安、ストレスを感じる原因への苛立ち、自己嫌悪、飲酒の増量などで睡眠質の悪化、自律神経の乱れで日常、だるさ(倦怠感)を常に感じてしまう。

ビタミンB1欠乏症

ビタミンB1が欠乏することで起こる疾患が脚気(かっけ)です。
脚気を患うことで、末梢神経がおかされ、だるさ(倦怠感)を感じます。 偏食、糖分の過剰摂取、アルコールの常習性もB1欠乏につながります。

糖尿病

インスリンの分泌や働きが低下し、血糖値が慢性的に高い状態になる生活習慣病のひとつです。 糖尿病が進行すると、だるさ(倦怠感)生じます。
多尿、頻尿などの症状もあらわれます。

PMS症状 「微熱」

風邪の初期症状のような熱っぽさと倦怠感が感じられます。全身のだるさと身体に火照りも感じるという症状があります。

発熱の原因

月経前の高温期は体温が上昇して高い時期があります。
上昇した体温は基本36℃後半で留まることが一般的ですが、中には37℃台までのぼってしまう人もいます。
発熱の体温は、その高さによって3つに分類されます。
微熱:37℃以上38℃未満
中熱:38℃以上39℃未満
高熱:39℃以上
さらに熱には“熱型”といわれる、言わば「発熱の種類」があります。

発熱の種類

熱型とは、発熱時にみられる特徴的な体温変動の波形のようなパターンを指します。
パターンは“稽留熱”“弛張熱”“間欠熱”の3種類に分かれます。
風邪以外の疾患によって、その特徴的な熱型の波形を示すものがあるので、発熱の原因を熱型によって推測できます。

稽留熱~けいりゅうねつ~

稽留熱は、1日中常に高熱(39℃以上)が続きます。 日差も1日通して1℃以下となります。
考えられる主な疾患は白血病、悪性リンパ腫、髄膜炎などです。

弛張熱~しちょうねつ~

弛張熱は、中熱(38℃~39℃)程の熱があり、日差は1℃以上あります。 平熱(37℃以下)になることはありません。
また、心臓近くにある上大静脈の“中心静脈”にカテーテル挿入している方は、
【敗血症】を起こすリスクが高くなるので、弛張熱には注意してください。
考えられる主な疾患は敗血症、化膿(かのう)性疾患、ウイルス疾患、悪性腫瘍など

間欠熱~かんけつねつ~

間欠熱は、弛張熱と同様、体温の日差が1℃以上あります。 さらに平熱に戻ることもあります。
考えられる主な疾患はマラリアや薬剤アレルギーなどです。

PMSの発熱による注意点

一見、今までの説明が発熱時の対応だけの様に思えますが、女性の場合PMSでの発熱なのか?他の疾患によるものなのか?ウイルスによる発熱なのか?など早期に見極めなければなりません。
ご自分で起きているその発熱はPMSによるものか、しっかりと把握しましょう。
体温だけで安易に判断せず、ご自分のためにも早期の対応はしっかりとしましょう。 年齢を重ねれば尚のことです。

PMS症状 「腹部の張り」

月経前は常にガスが溜まっていてお腹の張りを感じるということがあります。

腹部の張りの原因

明確な答えが未だ解明されておりませんが、月経前に分泌量の増える黄体ホルモンが原因ではないかと推測されています。
便秘が理由でないのであれば、子宮や女性器が起因となる痛みの場合があります。
黄体ホルモンが原因であれば、排卵後女性の身体は、受精から着床に向け体の受け入れ態勢を整えようと身体作りを始め、その作用が起因となり、子宮内部の壁が厚くなるため、その時にキリキリと痛みを感じたり、子宮周辺が張った感じがするなどが考えられます。

PMS症状 「胸の張り」

時期によって胸が張っており、ブラジャーがきついと感じる、また揺れたり腕が当たるだけで痛みを感じるといった症状があります。

胸の張りの原因

プロラクチンというホルモンが多く分泌され乳腺を刺激することで、張りや痛みとなってしまう原因の1つです。

胸の張りの種類

生理時期による胸の張り

一番身近な胸の張りといえば”月経(生理)前”の胸の張りで、女性であれば誰もが感じたことがあるのではないでしょうか? PMSによる胸の張りもこれに分類されます。
胸が張って硬くなるような感じで、小さく刺されたようなチクチクとした痛みで違和感を感じると思います。
胸を圧迫したり、物に少し当たっただけでも痛みを感じます。

妊娠・出産(分娩)時期による胸の張り

妊娠から出産(分娩)直前までの間プロゲステロン(黄体ホルモン)が常に分泌して、妊娠を持続させます。
もちろんエストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌量も増加しますが、プロゲステロンの方が優先的に分泌を続けるため胸の張りを感じます。
張りには個人差があるので妊娠したすべての人が感じるものではありません。 胸が張ること以外にも、乳首が擦れて痛いことや、胸の張りによる肌の痒みなどがあり、月経前でなくとも、こういった症状を感じたら妊娠の可能性を考えましょう。
月経前による胸の張りであれば1週間程度で症状はおさまりますが、2週間以上症状が続くようであれば一度妊娠検査をしてみましょう。

成長期による胸の痛み

女性の小学6年生から中学生になる頃は、第二次成長期で女性ホルモンの分泌量が徐々に増え続け大人の女性へと近づいていきます。
この時期から胸が大きくなってくることで胸に痛みを感じます。

第二次成長期

胸の張りの原因は病気によるもの!?

胸の張りは月経(生理)や妊娠、成長期など生理現象としておこりえることだけではありません。
病気の原因からきている可能性も考えられます。

乳腺症

胸が張る病気の中で最も多い原因であるのが乳腺症です。

  • 鈍い痛みを感じる
  • 胸全体が張って硬くなる
  • 乳頭から透明または血の混ざった分泌液がでる

など正常時では起こらないような症状がみられた場合をいいます。
乳腺症の原因はエストロゲン(卵胞ホルモン)の過剰分泌によるホルモンの乱れと言われています。 世代では30代~40代に多く他にも、月経周期が不規則であることや、出産歴がまだない方などに見られやすい傾向です。

乳腺線維腺腫

原因がはっきりと明確になっていません。 10代~30代の女性に見られやすい病気で、胸に良性の腫瘍ができます。

  • 胸の片側に丸いしこりができる
  • しこりに痛みは感じないが指で患部を押すとコロコロと動く

しこりができる頃は小さく、そのまま自然に消滅することもあります。
経過観察の中でしこりが大きくなってくるようだと手術で切断するようになります。
手術と聞くと怖いかもしれませんが、通院で済む程度の簡単なものです。
このしこりが”ガン化”することはありませんが、可能性として”0″ではないと言われています。

うっ滞性乳腺炎

うっ滞性乳腺炎は、母乳の通り道である乳管が十分に開いていない、乳児が母乳を飲む力がまだ弱いなどが原因で、乳汁が乳房に溜まることで起こります。

  • 授乳時の痛みがあり、授乳をやめると乳汁がたまって、さらに痛みが強くなる
  • 炎症しているため、胸が発赤や発熱を引き起こす
  • 乳頭から膿がでることがある

膿が出てくるとうっ滞性乳腺炎が進行して化膿性乳腺炎になります。
乳頭が傷ついて黄色ブドウ球菌や連鎖球菌などの細菌が乳管を通り、乳腺組織の中で広がってしまうのが原因です。
乳汁が溜まっていると感じたら、胸のマッサージや吸引で排出しましょう。
それでも症状が改善しない場合、胸を切開して乳腺の詰まりを取り除く手術を行います。

高プロラクチン血症

出産していないのに乳汁を出すホルモン”プロラクチン”が分泌され母乳がでる病気です。
また服用している抗精神病薬、抗うつ剤、制吐剤を常用している女性、脳の下垂体に腫瘍がある人に見られます。 常用している薬が原因の場合は、薬の変更や量を調整しましょう。
下垂体腫瘍が原因の場合は、手術で切除または、薬でプロラクチン値を抑えます。

乳がん

胸の張り以外に下記の症状がみられたら”乳がん”の可能性も考えられます。
また乳がんなる人には一定の特徴があるとされています。
あくまで目安であり、該当するから乳がんになるというわけではありません。
当てはまっても悲観的にならなくて大丈夫です。 心配な方は、周期的に下記のリストをチェックをすると良いでしょう。

  • 硬くてゴツゴツしたしこりがある
  • 左右の胸の大きさが違ってきた
  • 胸にへこみや引きつれがある
  • 乳頭から血の混じった分泌液が出る
  • 乳頭や乳輪にただれがある
  • 皮ふの毛穴が部分的に目立ってきた
  • 乳首が陥没してきた
  • わきの下に腫れやしこりを感じる
乳がんになりやすい人の特徴
12歳以前に初経を迎えた
出産や授乳の経験がない
血縁者(母親、姉妹、おば)に乳がんにかかった人がいる
乳腺の病気にかかったことがある
良性のしこりがくり返しできる
動物性脂肪やたんぱく質の多い食事をしている

PMS症状 「浮腫み」

体重の増加とは異なり、身体の各所が一時的に浮腫む症状があります。
脚が浮腫んで靴が履きにくかったり、つりやすい、顔がパンパンになってしまうなどが引き起こされます。

浮腫みの原因

他のPMS症状と同様、月経前の黄体ホルモンの分泌量が増える影響と、体を受精卵が着床しやすい状態にするためとされています。
この期間は、”水分貯留作用”といい、体に水分が溜まりやすくなっているためだと考えられおり、これは黄体ホルモンの分泌による副作用といったところです。

PMS後の生理中・生理後のむくみの原因は自律神経

生理開始後は黄体ホルモンの分泌量が減少することで自律神経が乱れ、むくみが発症します。
生理中はイライラすることや生理痛により行動範囲が狭まってしまい、普段より動かなくなる、これを継続することでむくんでしまうことが考えられますが、生理中のむくみはほとんどおらず、一番多くむくみを感じる時期は、やはり生理前(PMS)のようです。

他で考えられる原因

  • 長時間同じ姿勢を継続する(水分が下半身部位へ溜まってしまうため)
  • 運動不足や冷え(血行不良によって水分が溜まってしまうため)
  • 塩分の過剰摂取(体内に塩分が蓄積すると、血管から組織に水分がしみ出して貯留する)

浮腫みの種類

むくみには大きく分けて”局所性浮腫“”全身性浮腫“の2種類に分類され、局所性浮腫と全身性浮腫にはさらに複数の局所に分けられます。

局所性浮腫

局所の炎症または、静脈、リンパ障害によるむくみを指します。

静脈性浮腫

「静脈性浮腫」は、静脈の流れが妨げられていることで引き起こる浮腫みのことです。

リンパ性浮腫

「リンパ性浮腫」は、フィラリア感染でリンパの流れが妨げられているまたは、リンパ節が腫れていることで引き起こされる浮腫みのことです。

炎症性浮腫

「炎症性浮腫」は、アレルギー、感染症、やけどなどによる炎症を生じる浮腫みのことです。

血管神経性浮腫

「血管神経性浮腫」は、神経支配を受けている血管は、脳梗塞などによる神経障害でむくみを生じます。

全身性浮腫

「全身性浮腫」は、局所性浮腫とは異なり、ある原因によってさまざまなむくみが引き起こり、それぞれグループに分けられます。

腎性浮腫

腎臓の機能低下により、体内の余分な水分や、ナトリウムの排泄ができず貯留してしまい、腎臓から”蛋白尿”が大量に発生してしまうことで、血液と組織水分のバランスが崩れてむくみが生じます。
腎臓疾患によるむくみは大抵、検尿などを行うと何らかの異常がみられます。

肝性浮腫

慢性肝炎、アルコール性肝炎から肝機能低下で、血液中の水分をとどめておくための合成タンパク質”アルブミン”が合成されずアルブミンの濃度が低下します。
また、肝臓内に線維が増加して血流が障害され、消化管の肝臓に血液を流す門脈(腹部の臓器から帰て、肝臓に入って行く静脈のこと)圧が上がってきます。
これでは体内に水分やナトリウムが貯留してむくみを生じます。 肝性浮腫は、採血検査や腹部超音波検査で診断することができます。

心性浮腫

心筋梗塞や心筋炎などが原因により心臓の機能が低下して肝性浮腫のように、体内に水分やナトリウムが貯留してむくみが生じます。
心臓の左心系(全身循環)が障害されると肺に水がたまり”肺水腫”といわれる状態になり呼吸が出来なくなり大変危険です。
右心系(肺循環)が障害を受けると全身に浮腫が生じます。
心性浮腫は、横になると心臓の負担が軽減するので状態が少し改善して排尿しやすくなります。

薬剤性浮腫

風邪薬や漢方薬などを服用したことで、むくみが生じることがありますが、一般的には薬剤を中止することで自然と解消されます。

栄養障害性浮腫

極度の栄養障害がある場合にむくみが生じることがあります。
この栄養障害性浮腫は、女性が行うダイエットなどで起こるレベルの栄養障害ではなく、非常に重篤な消耗性疾患の患者さんで生じる場合があるむくみです。
またB1欠乏による脚気(かっけ)で生じることがあります。

特発性浮腫

検査を行って正常であるにもかかわらず、むくみを生じる人がいます。 中年女性に多く、この場合の原因は未だ明確になっていません。

内分泌疾患による浮腫

甲状腺機能が低下すると粘液水腫といわれる浮腫を生じます。
他の浮腫は指で皮膚を押すと皮膚の戻りが悪いことで一目でわかりますが、粘液水腫は、指で押してもすぐに元に戻ってしまい、皮膚に跡が残りません。
特徴としては

  • なんとなく腫れぼったい
  • 体重の増加
  • 寒がり

その他いくつかの内分泌の病気でむくみを生じますが、比較的特長的な症状を示すので採血検査などで診断されます。

PMS症状 「肌荒れ(ニキビ・吹き出物・湿疹など)」

月経前は肌トラブルに悩まされることが多くなります。
あご回りにニキビ(吹き出物)、身体に蕁麻疹(じんましん)など肌荒れの症状があらわれることがあります。

肌荒れの原因

PMS時期(生理周期)にホルモンの分泌の変動が大きくみられます。
この変動により、肌はもちろんですが、心身に影響を与えます。 PMS時期にはプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌が増加して皮脂の分泌が活発になることが原因と言われています。
口元まわりやほほなど部分的にニキビが発症したり、炎症起こすことで、ほてりを感じることがあります。 肌の表面の角質には、潤いを保ちながら外敵(ほこり、乾燥、異物、紫外線など)から保護するための”肌のバリア機能”があります。
月経(生理)周期はホルモンの変動があることで肌荒れしてしまうため、この時期は周りの環境や湿度が直接的な影響を受けやすくなっています。

PMS症状 「不眠」

寝つきが悪くなり睡眠に入ったとしても短時間で目が覚めてしまうことがあり、眠りも浅くなります。
睡眠を続けてとることが出来ないため。身体の疲れが中々取れないといった症状もあります。

不眠の原因

「黄体ホルモン(エストロゲン)」と「卵胞ホルモン(プロゲステロン)」の変化が大きくみられます。
基礎体温の上昇も関係あり、関連してセロトニンなどの物質分泌が影響して、発症するのではという説が有力であるが、未だ解明されていません。

不眠の種類

今や不眠症は日本の国民病と言われるほど、たくさんの方が悩むひとつです。
日本では5人1人が「眠れない」「寝ているのに疲れがとれない」「寝てもすぐ目が覚めてしまう」 など症状はさまざまの様ですが、どれも不眠症に値します。
不眠症は病気ではないので対策や改善策をしっかり行えば改善の見込みはあります。

入眠障害

寝床についてもなかなか寝つけなく気が付けば30分、1時間経過している。 中には2時間経過しても寝られない人などもいます。
週2日以上で1ヶ月以上続くようであれば入眠障害だと考えられます。 原因はいくつもあります。

  • 考え事をしてしまう
  • 寝られないことへの焦り
  • 不規則な生活
  • カフェイン摂取による覚醒作用
  • 就寝環境によるもの(場所、温度、湿度など)
  • 昼寝により眠くない

睡眠は規則正しい時間で就寝することが一番眠りにつけます。 不規則な生活は一番の睡眠障害となります。

中途覚醒

中途覚醒とは、入眠障害のように寝つきが悪いことはなく、すぐに睡眠には入れるが深夜のトイレ、喉が乾いたなど何らかの行動をするために起きてしまうといった睡眠に集中できない状況を指します。

仕事や対人関係によるストレス
  • 職場の対人関係によるもの
  • 家庭内の家族に対してのストレス

日頃の生活の中で長い事置かれている環境でストレスを感じることで中途覚醒になりぐっすり眠れず、起きてしまう。
この状態は常にストレスを感じている状態になり、”ハラハラ”、”ドキドキ”とした動機に近い状態が続きます。
重度になってくると人と対峙しただけでこの感情になってしまう場合があります。

中途覚醒の原因1
悪い夢、怖い夢を見て目が覚める

就寝中に見る夢の内容が『怖い、悪い、不快』なものであったことを目が覚めてからも覚えていて、寝付けなくなる”悪夢障害”という病気です。
下記がよく見られる傾向の人です。

中途覚醒の原因2
  • メンタル状態が低下している
  • ネガティブ思考

就寝時間にしっかり寝られないことで、仕事中など活動中に眠くなってしまい、それが原因で会社でミスなどしてしまい、対人関係に影響が出てストレスを抱えてしまうことケースがあります。

睡眠リズムが昼夜一定していない

不規則な当直や、夜勤がある仕事に従事している人に多くみられます。
普段、就寝時間である時間帯に光を浴びることで”メラトニン”物質が抑制され眠気が抑えられてしまい、睡眠時間が一定でないことで体内時計も定まらなくなってしまいます。
これはホルモンバランスの分泌にも大きな影響をあたえます。 この環境下に置かれてる人は、生理不順に見舞わケースが多いです。

中途覚醒の原因3
うつ病

生真面目な方に多い理由です。
責任感が強いことで失敗を恐れることでプレッシャーがかかったり、几帳面であるがゆえ、納得いくまで仕事をこなして、頑張ってしまい過重労働になる。
そんな理由からどんどん憂鬱な症状が出て、睡眠時の妨げになります。 うつ病の影響でホルモンバランスや分泌量も大きく変動します。
PMS発症に大きく影響します。

中途覚醒の原因4
就寝中の頭痛で起きる

就寝中に頭痛が生じることで、痛みで目が覚める症状です。 睡眠の質も低下します。
片頭痛、慢性発作性片側頭痛、群発頭痛などの病気があり稀に、睡眠時頭痛があります。
これらを“一時性頭痛”といいます。
精神的、体の病気などが睡眠の原因となって頭痛を起こすのが二次性頭痛といいます。
詳しくは”頭痛の種類”をご覧ください。

中途覚醒の原因5
悪い夢、怖い夢を見て目が覚める

睡眠前にトイレに行ったのに、就寝中でもトイレを催して何度もおきてしまう。
これを“夜間頻尿”とよばれています。
年齢を重ね、高齢になると多くみられる理由です。 夜間頻尿の原因はさまざまです。

中途覚醒の原因6
  • 糖尿病
  • 慢性心不全
  • 脳血管障害
  • 膀胱機能障害
  • 睡眠時無呼吸症候群
  • 水分の取り過ぎ
  • カフェイン、アルコール、その他利尿作用のある水分の(過剰)摂取
  • 治療のため服用している薬の副作用(利尿剤など)
その他:高齢者

高齢になると睡眠の質が下がります。
廊下現象のひとつとして睡眠途中で目が覚めてしまいその後眠れなくなってしまうということがしばしば起こります。

その他:妊婦

初期でつわりの症状、中期以降で頻尿・胎動が気になり起きてしまうことがあります。
妊娠による腰痛の症状で目が覚めるという理由もあります。

その他:環境

就寝しているその場の”気温”です。
気温が高く暑くて寝苦しい、湿度などもかなり影響するので日本では湿気の多い6月~9月の蒸し暑い日などは途中で目が覚めることが多くなるでしょう。

早朝覚醒

希望の起床時間より2時間以上前に起きてしまい、寝ようとしても寝つけず、そのまま起きてしまう症状ですが、日中に問題なく活動ができていれば問題ありません。
しかし、起床して活動中に眠くなる、体がだるい、疲労感を感じるようであれば、それが”早朝覚醒”が体にもたらす支障です。

早期覚醒は特に多くみられるのが”高齢者”です。 加齢することで睡眠中の睡眠パターンが変化します。
早朝覚醒は年を重ねていけば自然に誰もが経験するものです。
次に多いのが”うつ病”です。 うつ病の人は睡眠を促す”メラトニン”物質が分泌されにくいことも原因の一つです。

生活習慣の乱れ

運動不足は不眠を招きます。
体を動かして、疲れると眠くなりますが、1日中体を動かずいると入眠しにくくなり、入眠後もすぐに目が覚めてしまいます。
寝る前にアルコールを摂取される人がいます。 適度な少量は入眠を促しますが、過度な摂取は早朝覚醒につながります。
また、ビールなどは利尿作用があるので、夜中に目が覚める場合があります。

ストレス

ストレスを感じる際、交感神経が活性化され心拍数や、脳が覚醒します。
交感神経は、日中に活動的になりますが、交感神経が夜中でも優位になっていると寝つきが悪くなり睡眠の質が低下、早朝覚醒の誘発につながります。

年齢

高齢になると、体内リズムが前にずれていくことが主な原因です。
高齢の方が早朝に起きてしまうことがその理由です。
加齢することで、睡眠ホルモンの”メラトニン”の分泌量が減少します。 眠りの浅い時間帯が増え、早朝に軽い尿意や小さな物音などでも目が覚めることが増えます。

性別~女性~

不眠症状は、性別によって原因が異なります。
女性の不眠原因は”更年期障害”です。
更年期障害の症状である「ほてり」「のぼせ」の影響で寝つきが悪くなったり早朝に目が覚めることがあります。

寝具

安眠を提供してくれる”寝具”の状態や質によって睡眠レベルが変わります。
マットレス、枕、掛ける布団など寝具のすべてが睡眠に関わってきます。
枕の高さが合わない、マットレスの硬さが悪い、就寝中いつも暑苦しいなど寝具に対して不満がある人は寝具の見直しが必要でしょう。

熟眠障害

しっかりと睡眠をとっているのに眠い、日中眠気が収まらないなどの障害が発生するのが熟眠障害です。
本人は十分に睡眠をとっていると感じるが、実は眠りが浅いいままで睡眠をとっている原因があります。

睡眠時無呼吸症候群

睡眠中に何度も呼吸が止まったり,浅くなったりして体の低酸素状態が発生する病気です。

周期性四肢運動障害

睡眠中に四肢の異常運動が生じて睡眠が妨げられる病気です。
睡眠中、片足あるいは両足のピクピクと動いてしまう(不随意運動)が周期的に起こってしまい、脳波上の覚醒反応を生じる、つまり脳が起きている時と同じように覚醒している状態を指します。

PMS症状 「眠気」

不眠の症状とは逆で十分に寝ているにも関わらず日中眠くなってしまう症状です。朝がなかなか起きられなかったり、仕事中に眠気に襲われ集中力を欠いてしまうなど頭がぼーっとしてしまいます。

眠気の原因

可能性として黄体ホルモンの分泌が影響しています。
そして、そこには4つの原因があることが考えられます。

体温の変化

人間の身体は『体温が下がる』と眠くなります。
女性の場合は、排卵後の生理が来るまでの2週間を”高温期”になりプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌が増加して通常の体温よりも0.3~0.6℃ほど上昇します。
この働きにより夜になっても寝付きにくい、寝むれても眠りが浅く、日中に眠気に襲われる形となります。 眠れない日が続くことで”高温期”の後半の日中は毎日眠いといったことも起きます。

自律神経の乱れ

就寝中は副交感神経が優位に働きます。
副交感神経が優位に働くことで夜、就寝時にリラックスして快眠を得られます。
しかし、月経(生理)前は副交感神経を優先するためのエストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌が減少されるため、交感神経が優位になり体が活発な状態が続くため、寝つきが悪くなります。

GABAの減少

アミノ酸の一種である”GABA”は脳の興奮、緊張、ストレスを鎮めたり、緩和させる働きがあります。
高温期で上昇した、プロゲステロンの分泌量が再び減少して、月経(生理)前になるとGABAの分泌も減少します。
GABAの分泌減少により、緊張やストレス、不安を感じ、月経(生理)前に不眠の原因になり日中眠くなります。

セロトニンの分泌減少

幸せホルモンと称される脳内物質”セロトニン”。 このセロトニンは高温期に減少します。
セロトニンはGABA同様、不安や緊張の緩和に効果があるだけではなく、睡眠を促す”メラトニン”を分泌させるための原料となります。
つまり、このセロトニンが減少することでメラトニンの分泌も減少され、睡眠の質が下がってしまい、日中眠くなってしまうことがあります。

眠気の種類

疲れて眠くなる(恒常性維持機構)

起きている状態の時、徹夜する、仕事などで脳に疲れがたまる、体に負荷をかけたことで疲れがたまることで、脳の活動が低下して眠くなります。
これは、覚醒(起きている)していた時間に依存します。
覚醒時、長時間起きている時に疲れがたまり、次の就寝時ぐっすりと長時間眠るのはこのしくみのためといわれています。

夜になると眠くなる(体内時計機構)

通常、朝起きて日中活動されている人は体内時計により、夜になると体を休息状態へと切り替えて自然と眠気を起こします。
この時、脳内に”メラトニン”という脳内物質が分泌され、体内時計に働きかけ「眠りましょう」というシグナルを送るしくみです。
これはどんなに十分な睡眠をとっても翌日の夜に眠くなるのはこのためです。
仕事によって昼夜逆転している人は、昼に眠くなりますが、太陽の光によって脳内物質”メラトニン”が分泌されにくくなります。
この場合、前述で説明した疲れて眠くなる恒常性維持機構であるため眠くなるのです。

起きている状態を維持する(覚醒調節機構)

目覚めている必要があるときに、脳の活動状態を保ちます。
このしくみの調節には”オレキシン”という覚醒物質が関わってます。 日中は分泌量が増加され、覚醒状態が維持されます。
夜になると”オレキシン”の分泌量が減少され、覚醒状態(おきている)を維持できなくなるため眠くなります。

PMS症状 「便秘」

月経付近になると便秘気味になり、それが原因でお腹が張って苦しい、痛いといった症状があります。

便秘の原因

月経前の黄体ホルモンの影響で腸内に水分が溜まり腸の働きが弱まることで便秘を引き起こすと考えられています。

便秘の種類

まず、便秘の種類は大きく”機能性便秘”“器質性便秘” の2つに分かれます。
機能性便秘はさらに、”弛緩性便秘” “痙攣性便秘” “直腸性便秘”の3種類があり一般的な便秘はこの種類に該当する場合が大半です。
また、PMS症状も例外ではありません。

機能性便秘の排便減少型と排便困難症の特徴

機能性便秘の排便減少型と排便困難症の特徴

機能性便秘

機能性便秘の特徴は自律神経の乱れによる機能不全が原因で引きおこる便秘です。 普段の食生活や、生活習慣を見直すことで改善が見込めます。 PMS症状での便秘についても下記の症状に近いものが該当する場合があります。 なにかしらの要因がPMSを引き起こしているかもしれません。

弛緩性便秘(大腸通過正常型便秘)

食物繊維は便を促す栄養素としては欠かせないものです。
この食物繊維が不足することや、運動不足により筋力が低下し、大腸の運動機能が低下して、便秘を引き起こします。
若い人の中で便秘の一番の理由は食物繊維の摂取不足が原因です。
また、過度なダイエットによる栄養不足、好きな物しか食べない偏った食事は便秘の大きな原因です。

同じ姿勢でじっとしているようなデスクワークで体をあまり動かすことのないような人がなりやすく、高齢者や妊婦などにもみられやすい傾向です。

痙攣性便秘(大腸通過遅延型便秘)

大きな要因は精神的ストレスや環境の変化によるものが多く、弛緩性便秘のようにぜん動運動※1そのものに影響を及ぼすのではなく、大腸そのものの働きが不規則になることで引き起こす便秘です。
大腸が痙攣して便がスムーズに送られないことで、大腸内に便が滞留して徐々に水分の吸収が進んで硬く圧縮され、コロコロとした小動物のフンのような便になるのが特徴です。 痙攣性便秘は、便秘と下痢を交互にくり返したり、逆に下痢が続くこともあります。 腸の動きが悪くなると当然、働かなくなり排便回数が必然と減って便秘となります。
年齢を重ねて高齢になると、便秘になりやすく高齢の方によくみられる傾向ですが、若い方でも決して少なくありません。
また、薬剤性便秘は、向精神薬や抗コリン薬などの副作用により引き起こされることがあります。
※1 腸管の口側が収縮、肛門側が弛緩(しかん)して内容物を押し出す運動のこと

精神的にストレスを抱えやすい人、家庭や職場でストレスを感じている人、緊張しやすい、気が抜けずあまりリラックスすることができない人に多く、近年では若年層や仕事に追われている人に見られやすい傾向にあります。

直腸性便秘(排便困難型便秘)

通常、便は直腸に届くと自然に催しますが、この直腸性便秘は、催すことなくそのまま滞留して便秘を引き起こします。

高齢の方や、寝たきりの人に多い傾向にあります。
他にも痔や便秘を我慢してしまう人、時間に追われトイレ時間をしっかり取れない人にも直腸性便秘の傾向があります。

器質性便秘

胃や小腸、大腸、肛門などに腫瘍や炎症、閉そくなどなんらかの疾患があることで引き起こされる便秘を”器質性便秘”といいます。
代表的な疾患で言えば、”大腸がん”や”虚血性大腸炎”などがあります。

以下のような症状があらわれたら医療機関へご相談ください。

  • 急に便秘になった
  • 長時間にわたる腹痛や下血

便秘症状には大きな病気が隠れている可能性もあります。
便秘を安易に考えずに便秘の症状がいつまでも続いている、いつもと違うと感じたら医療機関を受することをお薦めします。

※非通知でご連絡いただいた場合、通話ができません。お電話にてご連絡いただく際は必ず番号通知をお願い致します。