早漏の仕組みと防止薬の治療効果

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早漏(PE)とは

早漏と呼ばれる症状で国際的な定義は以下の3つです。

  • 性行為時の射精が毎回、性交為直前もしくは性交為開始後60秒以内に起こる。
  • 性交為中に自分の意志で射精を遅らせることが不可能な状態である。
  • 性行為時に射精が早いことがストレスや苦痛に感じ、自ら性行為を避けるようになる。

性交為開始後60秒以内に射精してしまう場合は単純に早漏とされていますが、性交為時間が60秒以上の場合でもその時間が短いと感じストレスになっている場合も早漏だと言えます。
早漏の男性の約20%が加齢とともに症状がより重症化する方が増えております。

早漏の仕組み

早漏の原因は、陰茎の皮膚過敏・亀頭の刺激への弱さが主として考えられていました。

しかし、近年の研究結果において、早漏は陰茎への影響だけではなく、「脳内の神経伝達物質セロトニン不足」も原因の1つという仮説が立てられています。

ヒトはリラックス状態や快感を得ている時は自律神経の副交感神経が優位に働いている状態です。

性行為が進むにつれ徐々に興奮状態となり脳内新家伝達物質「ノルアドレナリン」が大量に分泌され、ここから交感神経が優位に働きます。
その後、興奮状態が絶頂に達すると射精信号が脳から伝達、射精に至ります。

早漏の方は、ノルアドレナリンの分泌量が通常の方と比較すると必要以上に分泌されてしまい、自分の思いに反して射精されてしまう、つまり射精のコントロールが出来ずに射精されてしまうのが早漏のメカニズムとされています。

日本の早漏患者数

早漏は、性的な問題の一つであり、個人的な情報であるため、正確な統計データを得ることは困難です。
しかしながら、日本でも早漏に悩む男性は多いと考えられています。厚生労働省の調査によると、男性の約1割が早漏に悩んでいると報告しています。
また、日本泌尿器科学会によると、男性の20%~30%が早漏に悩んでいるとされています。
ただし、これはあくまで予測であり、推定値であるため、実際の数値はこれらの調査結果よりも大きく上回る可能性が十分に考えられます。

早漏の原因と治療法

早漏にもED同様、主な原因とされる4種類があります。
EDとは異なり、早漏の場合、その原因を訓練によって解消されることも可能性としてあります。
ご自分のどれに該当するのかよく理解して原因を解明することで早漏は改善されることができます。

ED性早漏(Erectile Dysfunction Premature Ejaculation)

ED(勃起不全)が原因となる早漏
早漏患者の約30%がEDを合併しているというデータは、「勃起しているうちに射精しようという焦りから、激しく陰茎を刺激することで早漏となる」ということになります。
EDとは勃起不全の略語であり、性的な興奮があっても、男性器が十分に勃起しない、あるいは勃起が持続しない状態を指します。
一方、性早漏とは、性行為の開始直後またはごく短時間で射精してしまう状態を指します。
両方の状態が同時に現れることもあり、ED性早漏と呼ばれます。 ED性早漏は、精神的な問題や身体的な問題、あるいはその両方によって引き起こされる可能性があります。
身体的な原因としては、高血圧や糖尿病などの慢性疾患、または前立腺の問題など、精神的な原因としては、ストレス、不安、うつ病などが挙げられます。

過敏性早漏(Premature Ejaculation with Hyperexcitability)

陰茎周辺へ多少の刺激が加わると射精してしまう
健康的で勃起力、性欲共に強い10代、20代に多い傾向にあります。
そのなかでも、運動をよくする・包茎気味の方に多く見られます。
通常の場合は、性的な刺激が脳に伝達された後、身体が射精の準備を開始します。
しかし、過敏性早漏の人は、陰茎の神経が極度に敏感なため、脳で性的刺激を感じる前に外部からの刺激だけで性的興奮がピークに達し、挿入してから1~2分以内に射精してしまう状態のことを指します。
早漏は、身体的な原因(神経系やホルモン系の問題)や心理的な原因(性的な不安やストレス、うつ病、パートナーとの関係問題など)によって引き起こされることがありますが、一部の男性の早漏となる原因が明確ではない場合があります。
ED性早漏と過敏性早漏の治療法
行動療法:
ペニスの刺激に対する感覚を増やすためのエクササイズや、陰茎の筋肉のトレーニングを含むものです。
ペニスの感覚を増やす方法として、マスターベーションを行う前に陰茎を刺激する練習や、陰茎を包むコンドームを使用する練習、陰茎の筋肉トレーニング方法で、ケーゲル運動があります。

プレイベント遅延法:
射精をする前に、刺激を中断することを習慣化することが求められます。
刺激を受けた後、射精の直前に刺激を中断することによって、より長い時間をかけて射精することを目指します。
この方法を練習することで、射精をコントロールし、より長い時間をかけて性的興奮を維持することができるようになります。

薬物療法:
ED性早漏の治療には、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害剤)と呼ばれる抗うつ薬を使用する方法です。
これらの薬は、セロトニンの再取り込みを阻害することによって、射精を遅延させることができます。
また、局所麻酔剤を使用して、陰茎の皮膚に塗布することで陰茎の感覚を鈍らせることができます。

カウンセリング:
心理的な要因がED性早漏の原因である場合、カウンセリングを受けること

心因性早漏(Psychogenic Premature Ejaculation)

重症化は妄想(想像)で射精してしまう
心因性早漏とは、外的刺激がなくとも性的な場面や性行為に関係する想像をするだけで陰茎が勃起し、重症の場合だと外的刺激を受けなくとも想像や妄想だけで射精してしまいます。
心因性早漏は、過去の性行為のトラウマやストレスが原因と考えられています。
過去の性行為で早く射精してしまった経験があり、「次の性行為でもすぐに射精してしまうかもしれない」という気持ちが強いストレスとなり、交感神経を活発化させ、興奮状態になりやすく勃起・射精しやすくなってしまいます。
また心や体をリラックスさせてくれる脳内物質、セロトニンが不足している場合も性的興奮状態になりやすくなってしまい、早漏になることがあると言われています。
心因性早漏の治療法
認知行動療法:
心因性早漏の治療には、認知行動療法が効果的であることがあります。
自分自身の性的行動に対する考え方や信念を改善することで、性的興奮や射精のコントロールを促進することを目的としています。
認知行動療法の中には、ストレス管理やリラクゼーション技法を含むことがあります。

セックスセラピー:
性的問題を解決するための治療法で、個人やカップルに提供されます。
コミュニケーションスキルの向上や、身体的な技術の改善を通じて、性的な満足度を向上させることを目的としています。

精神療法:
心因性早漏の原因が、うつ病や不安障害などの精神的な問題である場合、精神療法が有効な治療法となります。
精神療法は、個人またはグループセッションで提供され、心理的な問題を扱うことに焦点を当てています。

薬物療法:
心因性早漏の治療には、抗うつ薬や不安障害に効果のある薬剤が使用されることがあります。
これらの薬剤は、神経伝達物質のバランスを調整し、性的興奮や射精のコントロールを改善することができます。

カウンセリング:
心因性早漏の原因が、過去のトラウマや人間関係の問題である場合、カウンセリングが効果的な治療法となります。
心理的な問題を扱うことに焦点を当て、個人の心理的な健康を改善することを目的としています。

衰弱性早漏(Acquired Premature Ejaculation)

加齢・筋力の衰えが原因とされる早漏
衰弱性早漏とは、加齢や筋力の衰えが原因で発症されやすいと言われています。
遅漏症状を経験した後、突然早漏症状が現れることを指します。
過去は正常な射精時間を持っていたにもかかわらず、ある時点から突然射精時間が短くなることがあります。
男性の場合、年齢を重ねると男性ホルモンが減り射精管閉鎖筋(射精をコントロールする筋肉)が衰弱し射精が我慢できなくなってしまいます。
また衰弱性早漏の場合、射精する勢いも弱くなります。
この症状は、40代・50代ぐらいの中年以降の男性に多く見られる症状となっています。
衰弱性早漏の治療法
筋力トレーニング:
衰弱性早漏は、ペニスの筋肉の弱さが原因となることがあるため、筋力トレーニングが有効な治療法となることがあります。
筋力トレーニングは、ペニスの筋肉を鍛えるために、特定のエクササイズを行うことによって行われます。

セックスセラピー:
性的問題を解決するための治療法で、個人やカップルに提供されます。 この治療法は、コミュニケーションスキルの向上や、身体的な技術の改善を通じて、性的な満足度を向上させることを目的とします。

精神療法:
衰弱性早漏の原因が、ストレスや不安などの心理的な要因である場合、精神療法が有効な治療法となります。
精神療法は、個人またはグループセッションで提供され、心理的な問題を扱うことに焦点を当てています。

薬物療法:
ED性早漏過敏性早漏の薬物療法と同様「SSRI」が使用されることがあります。
SSRIの、セロトニンの再取り込みを阻害する作用により、性的興奮や射精のコントロールを改善することができます。
また、局所麻酔剤を用いたトップカバーゼーション(表面麻酔)や、アルファアグニスト薬も使用されることがあります。

ペニスリング:
ペニスリングは、ペニスの根元に装着する輪状のデバイスです。
ペニスに血液を貯めることができ、射精までの時間を延長することができます。

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早漏治療薬の入手について

早漏治療薬は外用薬・内服薬と種類があります。
市販で販売しているものや、クリニック・病院で処方されないと入手できない薬もあります。
症状や原因に合った治療薬を選ぶうえで、どこで入手できる・手軽である・安全であるかは大切なポイントとなります。

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射精のしくみ

射精は、男性の生殖器によって生産される精子を、体外に放出するプロセスです。
射精は、神経系と生殖系の複雑な相互作用によって調節されます。

    射精のメカニズム
  • 性的刺激
    セックスや性的刺激によって、陰茎に血液が流れ込み勃起
  • 陰茎の刺激
    陰茎に刺激が加わると精嚢が反応して、精子が精管に移動
  • 交感神経の興奮
    陰茎の筋肉が収縮され、精管から精子が尿道へと送られる
  • 膀胱頸部の弛緩
    膀胱頸部の筋肉が弛緩して射精時、精子の膀胱逆流を防止
  • 射精
    陰茎から精液が放出され射精、射精後、陰茎は徐々に収縮

射精コントロールできない理由と対策

射精コントロールできない理由は、個人差があるため一概には言えませんが、以下のようなことが考えられます。

    射精コントロールできない理由
  • 性的興奮が高すぎる
    性行為中に性的興奮が高まりすぎると、興奮度が高まり射精コントロールが困難に。
    過剰な性的興奮が脳に大きな刺激をもたらし、脳が刺激に対する反応に遅れて抑制しきれない。
  • ストレスや不安
    ストレスや不安は射精コントロールを困難にする可能性あり。
    身体が緊張して、セックス中にリラックスできず、コントロールしきれない。
  • 性的経験の不足
    経験不足は、射精のタイミングが理解できずコントロールが難しいケースがある。
    これは、セックス経験が少ないため、自分の身体や反応を理解しきれずに射精してしまう。

これらの理由が全てではありませんが、主に考えられる理由として挙げます。
また、これらは早漏の原因ではなく理由となります。
器質的などの問題ではなく、メンタル面が理由になるのでこの点が解消されれば早漏の解消に十分繋がります。
原因対策として以下のようなものがあります。

    射精コントロール対策
  • 深呼吸やリラックステクニック
    性行為中の深呼吸や、運動を一時止める、リラックステクニックを行うことで、身体をリラックスさセルだけで、射精を遅らせることができる場合がある。
  • コントロールされたセックス
    射精コントロールを目的とした、セックスで射精の動作訓練を継続することで、身体や反応を理解して、射精コントロールを鍛える。
  • 性行為の経験回数
    2.のコントロール訓練を実践で性的経験を増やすことで、反応に、射精をコントロールすることができるようになる可能性があります。
  • セックス前のストレスや不安の軽減
    セックス前にストレスや不安を軽減するために、リラックスしたり、ストレスを減らすための活動をすることが大切です。
    アルコールが飲める方は飲酒してリラックス状態に持ち込むのもよいでしょう。
    個人差はありますが飲み過ぎには気を付けましょう。

3.の性行為の経験回数は、性行為のパートナーが変わると、脳への性的興奮・刺激が新鮮なもので与えられるため、同じパートナーで訓練を積んでコントロールができるようになっても、パートナーが変わったことでコントロールができないことがあります。
そういった意味で「性行為の場に慣れる」ことは、射精コントロールに繋がると言えます。