ED(勃起不全)とは
ED(勃起不全)とは、「勃起機能の低下」を意味するErectileDysfunctionの略です。
専門的には「満足な性行為を行うのに十分な勃起が得られない、または維持できない状態が持続または再発すること」とされています。
つまり、勃起が起こらないケースはもちろんのこと、硬さが不十分、勃起状態が維持できないなど、満足な性交が行えるだけの勃起が得られない状態は、いずれもED(勃起不全)となります。
勃起のメカニズム
- 性的に興奮したり、性的刺激を受ける
『視覚で(見る)妄想による(想像)触覚による(感触)聴覚で(聞く)嗅覚で(匂う)など』 - 脳から神経を通じて勃起をするように脳から信号が伝達される
- 陰茎の海綿体に血液が流れ込み勃起に至る
『勃起症状が起きる』
以上の流れになります。
このような正常のメカニズムが様々な原因により阻害され正常に機能せず、勃起に至らない状態をED(勃起不全)といいます。
主な原因としては、加齢、喫煙、高血圧、糖尿病、高脂血症、肥満、うつ病、前立腺肥大症、慢性腎臓病、睡眠時無呼吸症候群、神経疾患などがあり、また服用中の薬剤による副作用が原因でEDとなる場合もあります。
この原因を見ていただくと分かるように、単に「年のせい」だけでなく、メタボリック症候群のような生活習慣病もEDの大きな原因なのです。
ED治療のイメージ
「ED治療」と聞くと、「完全に勃起しなくなった場合の治療」と認知されやすい傾向にありますが、実際は、「勃起するが硬さが不十分」「途中で中折れしてしまう」これらもED症状に該当されます。
ED症状の多くは、生活習慣病や加齢による血管ダメージと衰退などが原因で血流が弱まることが関係します。
EDは放置すると徐々に悪化していくので、症状に気づいたときが治療を始めるタイミングと考えましょう。
ED治療薬は、血管を拡張させて陰茎に血液が流れ込み海綿体に貯留することで、陰茎を硬化して勃起が起きます。
従って、勃起はするが十分な硬さにならない、中折れをしてしまう方は、治療薬の薬理効果で血流を良くすることで、勃起改善が期待できます。
当院は、5種類のED治療薬を患者様のご要望に合わせて処方しております。
EDは、少しでも勃起機能に不満があれば治療の対象になります。
お気軽に、そしてお早めに医師に相談するようにしましょう。
ED患者は30分に1人
当院は、オンライン診療に特化したクリニックになっており、24時間365日体制で医師が常駐して診療を行っております。
EDにお困りの患者様が当院で処方される数は、平均して1日約50人。
実に30分に1人の割合で処方されています。
オンラインを利用することで「人に会わない」「出向かなくていい」などの利便性から、大変多くの患者様にご利用いただいております。
週末に至っては、100人弱の患者様からご利用・御要望を頂いています。
現代のEDは、これほどまでにポピュラーな病気になっています。
EDは「恥ずかしい」「ダサい」「みっともない」「周りの目が気になる」など自己嫌悪感や劣等感から病院へ来院・受診されず、そのまま放置される方も少なくないようです。
EDは、早期対応と早期治療の改善が重要です。
ED治療薬は、1錠飲むだけで改善することができます。
ED治療にかかる費用
治療に向けて知っておきたい知識として、ED治療にどれくらいの費用が掛かるのか?
ED治療薬市場で調査を行ってまとめた結果、「費用が高い」と思われている方が多いようです。
ですが実際にかかる費用相場は、先発薬品で約¥2,000前後、ジェネリック薬品では¥1,500程度です。
また、2022年4月からED治療薬は先発薬のみ保険適応となりました。
しかし、適用には条件があり「不妊治療目的」に限り保険適用となるので、不妊治療を行っていない場合は処方されないといった高い基準が設定されています。
近年ではオンライン診療という診療方法が厚生労働省より推奨されています。
今までは、通院の手間などからED治療に限らず踏み出せない(出さない)方も多くいらっしゃるようです。
ED治療に戸惑いや躊躇されている方は一度、当院の「オンライン診療」でご相談ください。
対面することなくアプリの「LINE」で問診を行う簡単な受診方法となります。
場所を問わず待ち時間が不要なことから一番手軽に受けられる受診方法です。
お薬も自宅まで配送となるため、来院する必要 がなくインターネット環境があれば受診が可能です。
この機会に是非ご検討されてみてはいかがでしょうか。
EDオンライン診療について
日本のED人口
現代においてEDに悩まれてる方の人口は大変多く、成人男性約2,800万人がEDに悩んでると言われています。
その中で中等度EDと完全EDの合計人口は約1,400万人を越えると言われており、高齢化が進むにつれて、重症度の高いED患者の割合は年々増えています。
ED人口の増加は、高齢化が原因ではなく若年層(20代~30代)にあらわれている傾向にあります。
下記のデータは2014年、厚生労働省政策統括官付政策評価官室委託「健康意識に関する調査」をもとに作成したストレスに関する統計データです。
20代~30代のストレスはどの世代毎に比較しても一番高くなっています。
これは、ストレスによる心因性EDに傾向がある事が読み取れます。
高齢者になればストレスはなくなってくるようですが、加齢による動脈硬化などによる器質性が問題になってくることが示唆されます。
EDという病気に対して恥ずかしさや、劣等感、自己嫌悪を感じる必要はありません。
現代は、EDが世間一般的に蔓延している病態であることが下記の円グラフから考えられます。
ED治療は、自分のためだけでなく、パートナーとの関係にも大きく影響してきます。
誰もがパートナーと過ごす時間は一緒にいられるだけで幸福感を感じ、性行為に興奮を感じることができます。
見つめ合う・手を握る行為、語り合う空間、このような行動は性の関わりであり、“幸福感” “安心感”が増すといわれていて、性行為で男女の距離が縮まることは科学的に証明されています。
脳内物質がもたらす良い効果
EDの治療は、パートナーの喜びにも繋がりますが、何より自分への自信に繋がります。
EDが原因で性行為ができなくなると、自信喪失から日常生活にさまざまな悪影響を与えます。
仕事のモチベーション低下、パートナーとの関係が悪くなる、社交場の機会を自ら遠ざけるなど。
『パートナーが満足できない原因は自分にある』と自分を追い込んでしまう人がいます。
性行為で距離が縮まることは、満足できなければ反って縮まらない、遠ざかる可能性もあるでしょう。
パートナーとの最初の性行為に緊感と幸福感を感じることは至って一般的なことです。
しかし、その緊張(プレッシャー)が原因で、勃起しないことや中折れしてしまうケースもあります。
緊張しないためにお酒を飲むつもりが過度に飲酒してしまい、反って充分な勃起力を得られず、満足に性行為が行えなかったなど、心因性の原因が付きまといます。
ED治療は、自分自身とパートナーそして、周りの環境を改善することの大きな課題なのです。
勃起不全の原因
正常の男性の勃起は、神経および陰茎海綿体内皮細胞由来の「一酸化窒素刺激」により環状グアノシン一リン酸という物質が産生されて、陰茎海綿体の筋肉(平滑筋)を弛緩させ血流が増加し勃起に至ります。
しかし、生活週間病や心理的な原因により神経と血管の動きが不十分だと、陰茎海綿体への血流の流れ込みが足りず、勃起不全(ED)が起こります。
EDの主な原因は、大きく分けて『心因性』 『器質性』 『混合性』 『薬剤性』があります。
ご自身がどれに当てはまるかなど、原因を知ることでED改善の近道に繋がります。
心因性ED(psychogenic)
-
心因性の特徴
- 特別な状況で発生する
- パートナーとの間の関係問題(マンネリ化など)
- 突発的な発症
- 悲観的になったり自己嫌悪になる
- 悩み、鬱(うつ)を抱えている
心因性EDは、年齢関係なく男性であれば誰でも起こりえる要因です。
生活環境や職場環境、プライベートで感じるストレスやプレッシャー、トラウマなど精神面が主因です。
また、心因の性質や重症度によっては精神疾患となり、EDを発症する可能性があります。
環境による心因
日頃の私生活で感じるストレスはひとそれぞれです。
そのなかでも、生活環境と職場環境は、数多くの人がストレスを感じる環境です。
生活環境のストレスは、同居する家族への不満です。
「相手が出す生活音」や「自分に対する家族からの指摘」、「日常の家事」「子どもの子育て・教育」など多数あります。
1人暮らしでも、仕事など疲れて帰宅したあとにする、掃除や洗濯、自炊といった家事に対し「やらなければいけないこと」としてストレスを感じます。
こちらは『マイボイスドットコム株式会社』が提供するアンケートデータベース(MyEL)を参考に抜粋したものです。
職場環境で感じるストレスも大きなものです。
「上司・先輩に怒られる」「後輩にイライラする」などの人間関係、「仕事がうまくいかないことで自分への苛立ち・嫌悪感」
仕事で外に勤務されている方は、満員電車や街中で見かける他人の行動、そういった環境や会社で何時間も働いて、帰宅すれば今度は生活環境におけるストレス。
こういったことの積み重ねで大きなフラストレーションになってきます。
トラウマによる心因
環境以外にも、自身が抱える借金などの金銭面や、将来への不安、他人が侵すマナー違反でイライラする人も少なくありません。
過去の性行為や女性そのものに対するトラウマから、脳が性的刺激を感じられず、勃起のメカニズムが機能しないことも心因性の1つです。
トラウマは時として、恐怖を感じることもあります。
性暴力が代表的な例でしょう。
こういったケースは、性的なもの=ストレスと感じて、動悸や過呼吸になって息が上がってしまう場合があります。
トラウマは感情が性行為に向かない、心に余裕がない状態で、男女の雰囲気になっても性的興奮を感じなくなる心情的な問題となります。
精神疾患による心因
精神疾患は、心理療法で治療を行います。
心理療法とひとことで言っても、多種多様な療養方法があります。
療法名 | 療法内容 | 効果 |
---|---|---|
精神分析 療法 |
一般的に1週間/1回、45分~50分で対面式面接を毎週実施
今ある困難や思い浮かぶことなんでも話して今の問題や症状が、生き方と密接に結びついているという考えを元にする方法 ハウツー的な問題解決では届かない、心の深い部分の悲しみや痛みに対し、ゆっくりと時間をかけて取り組む |
抑圧から起る精神疾患の症状の改善 |
支持的精神 療法 |
考えごとに自信が持てない・混乱している問題をヒアリング
統合失調症が抱えている幻覚や妄想の症状に対する不安や苦しみに対して療法士が、共感・肯定・助言を示し、サポート |
自分や周りの問題を解決する力、適応する能力を高める |
認知行動 療法 |
(1)自身のストレス問題を整理
(2)どんな状況で問題が起き、どんな感情がおこるのか整理 (3)自動思考が感情や行動にどのような影響与えるのか探る (4)自動思考の特徴的なくせを見つけて、自動思考と現実とのズレに注目して、現実にそった見方に変える練習をする |
負の感情やストレスを軽減する効果 |
自立訓練法 | 自己暗示の練習を段階的に行い全身の緊張を解いていく訓練法
(1)静かな場所でリラックスできる姿勢になる (2)決まった言葉を心の中でゆっくり反復する(言語公式) (3)体に意識を向け、体をただ感じる 目を閉じリラックスした状態で、決められた言語公式(落ち着いている、手足が重いなど)を、順序に従って心の中で繰り返し自己催眠状態にする |
疲労回復やストレス解消など |
脱感作療法 | 筋肉弛緩を行い、不安・恐怖の消去させる技法
不安・恐怖を感じると強張る筋肉(緊張状態)を、軽い不安・恐怖から段階を踏み最終的に不安・恐怖の著しい場面をイメージさせて、筋肉弛緩訓練を行い習得して不安・恐怖を取除く |
不安神経症・強迫神経症などの改善・解消 |
マリッジ・カウンセリング | 夫婦生活についての悩みを聞いてもらえるカウンセリング
夫婦の不仲解消や今後の方向性などの悩み・問題を抱えた患者に対し、療法士が専門的知識・技術で相談援助を行う |
夫婦関係の修復 |
その他 | 性教育、自慰行為訓練、コミュニケーションと性的な技術訓練によるカウンセリング療法 | 性的問題をカウンセリングや実演から、いま問題になる原因の追究と抵抗感を払拭して勃起に慣れる |
これらの療法と合わせて、向精神薬など精神疾患の治療に用いられる薬が処方される場合があります。
2018年ED診療ガイドライン第3版では『心因性EDに対してPDE5阻害薬単独よりもPDE5阻害薬と心理療法の併用を強く推奨する。』と示しています。
精神疾患の性質や重症度によっては、原疾患の治療、向精神薬の検討がED治療の原則になります。
心因性の治し方
療法士
心因性は、その人にとってのリスクファクターの根本的な解決が必要ですが、1人単独で治すことはとても難しいでしょう。
ご自分の周りに相談できる友人や家族に話してみるのも良いですが、ディープな話をするのは関係性によっては少々難しいと思います。
心理療法士や、性機能障害の直接的な治療を行うセックスセラピストのカウンセリングなど受けてみるのもひとつの方法です。
環境の改善
新しい環境でストレスを感じる人もいらっしゃいますが、今の環境を打破する意味では、ひとつの方法として視野に入れるのも良いでしょう。
いつまでも変わらない環境下で我慢せず、大きな前進する意味でも環境を変えてみるのも良いでしょう。
趣味・嗜好
悩みや嫌なことを忘れるほど没頭できる趣味や嗜好(品)でストレスを発散してリラックスすることができます。
好きなことに打ち込んでいる時間は、体力的に大変なことでもストレスを感じず、頭の中がすっきりしてリラックスできるので普段感じるネガティブな感情から解放されます。
こういった時間が長いほどポジティブ思考になり、心因性EDに繋がる原因を遠ざけることができます。
参考サイト
ED診療ガイドライン[第3版]器質性ED(organic)
高血圧・糖尿病・老化・下半身麻痺などの身体的要因でEDが発症することがあります。
外科的手術や、事故等による血管の損傷などもこれらに該当されます。
では器質性の原因となる生活習慣の改善方法についてご説明しましょう。
器質性には、事故や手術の後遺症によってEDを患ってしまうケースも少なくありません。
このケースは少々治療が困難となりますが、生活習慣による器質性EDは、普段の生活を見直すことでEDの改善が見込めます。
生活習慣の乱れは、「高血圧・脂質異常症・糖尿病」を助長します。
その大きな原因が『食生活』です。
しかし、食生活を見直しても『EDの根本的改善』にはなりません。
あくまで、EDの予防やEDを患っている方の症状の悪化を防ぐ手段の一つとしてお考え下さい。
一見、「それくらいか」と思われがちですが、この食生活の見直しは、ED以外の糖尿病や肥満、高血圧といった疾患の予防や大きな改善点のひとつとなります。
ではどんな栄養素がED助長を防ぐのか?
予防・改善に有効な栄養素を優先的に摂取
器質性に限らず、ED予防・改善に有効とされる代表的な栄養素があります。
これらの栄養素を優先的バランスよく摂取することで予防・改善に繋がります。
栄養素 | 食材 |
---|---|
亜鉛 | 牡蠣・レバー・鶏肉・牛赤身肉・チーズ・卵・カシューナッツ・アーモンド など |
DHA/EPA | マグロ類・サバ類・イワシ類・シャケ類・サンマ類・カツオ類・魚卵類 など |
シトルリン | ウリ科(スイカ・冬瓜・メロン・きゅうり・ゴーヤ等)・クコの実 など |
アルギニン | 鶏卵・落花生・ウナギ・キハダマグロ・大豆・ニンニク・和牛 など |
亜鉛
亜鉛は、新陳代謝を活発にする働きを持っていて、風邪や感染症にかかりにくくなります。 粘膜を保護するビタミンAを体の中にとどめる効果があります。
また、亜鉛には「テストステロン」という男性ホルモンの分泌を促す働きがあります。
年齢を重ねることでこの男性ホルモンの分泌量が弱まることでEDになりやすくなる原因と言われています。
DHA/EPA(ドコサヘキサエン酸/エイコサペンタエン酸)
DHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)は、必須脂肪酸の一種です。
体内ではほとんど合成されない栄養素であるため、食品から摂るしかありません。
DHAとEPAは、血液をサラサラにし、中性脂肪を下げる効果があります。
全身の血行を改善し、肥満や脂質異常症の予防に大いに期待ができます。
シトルリン
シトルリンは、遊離脂肪酸の一種です。
陰茎の血管を広げるのに必要な「NO(一酸化窒素)」を生成を促す効果があります。
「NO」とは、血管を拡張(広げる)効果があります。
血管の柔軟性に関わる物質で、血管の柔軟性は血管年齢を表します。
NO(一酸化窒素)は、高血圧を予防することができます。
血流が陰茎海綿体に流れ込むことで勃起が促されるので、EDの方にとっては大きな改善に繋がります。
アルギニン
アルギニンは成長ホルモンの分泌や筋肉組織の増強、免疫力の向上に効果的なアミノ酸の一種です。
アルギニンを摂取する事でシトルリン同様、血管拡張による「血流改善」や「勃起力の向上」等々の効果が得られると言われています。
運動や手術などで体力が消耗したときの回復に使われるように、アンモニアの増加を抑えて疲労回復をサポートしたり、成長ホルモンの分泌を促進し、脂肪燃焼・筋肉増加に働きかける成分でもあります。
中性脂肪の減少、血液をサラサラにする
先述した栄養素、DHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)で脂質異常症(中性脂肪)、血液をサラサラに、することで有効なお話をしましたが、これらを改善する栄養素はほかにもございます。
それが、「おさかなすきやね」です。
「お」⇒お茶
「さ」⇒魚
「か」⇒海藻
「な」⇒納豆
「す」⇒酢
「き」⇒キノコ類
「や」⇒野菜
「ね」⇒ネギ類
上記8種類の食事を長期間摂取し続ける事で、血液がサラサラになり陰茎に送られる血液量も結果として増量する可能性が高まるため、ED改善の余地があるということです。
器質性EDに避けるべき悪い食べ物とは?
これまで何度もご説明してまいりましたが、EDを引き起こす原因の1つ、陰茎の血行不良です。
この血行不良を引き起こす、助長する食材があります。
悪影響をおよぼす食事 | 代表的な食べ物 |
---|---|
高カロリー | 揚げ物類・カップ(インスタント)麺・菓子類 など |
高脂肪食 | ジャンクフード全般(ファーストフードなど)・チーズ・ピザ など |
高塩分食 | 漬物類・ラーメン・梅干し など |
高カロリー
1日に必要なkcal(カロリー)は、日本の成人男性は、2200±200kcalが目安と農林水産省が推奨しております。
カロリーが高いと言えば、アメリカの食事ですが、肥満アメリカ人を対象とした研究結果によれば肥満と運動不足はEDを引き起こす大きな要因としてリスクファクター(リスク要因のひとつ)としています。
身体活動レベル | 【低い】
デスクワークが中心 近所を15分程度歩く程度 |
【普通】
移動が多い・立ち仕事 日常的な軽いスポーツ |
【高い】
スポーツなど余暇活動における活発な運動習慣 |
---|---|---|---|
20〜29歳 | 2,300kcal | 2,650kcal | 3,050kcal |
30〜49歳 | 2,300kcal | 2,700kcal | 3,050kcal |
50〜64歳 | 2,200kcal | 2,600kcal | 2,950kcal |
65〜74歳 | 2,050kcal | 2,400kcal | 2,750kcal |
高脂肪食
脂質は、タンパク質と並ぶエネルギー産生栄養素のひとつです。
タンパク質や糖質の約2倍のエネルギーを脂質はつくり出す、効率のいいエネルギー源になります。
他にも、細胞膜やホルモンの構成成分、ビタミンの吸収、体温の保持、内臓の保護など大きな役割を担います。
日本人の1日の脂質摂取量は総摂取エネルギーの20%以上30%未満と言われていますが、2019年厚生労働省の調査によれば、脂質摂取量30%を超えている人の割合は、20歳以上の男性では約35.0%という報告があります。
高脂肪食の過剰摂取は、生活習慣病である脂質異常症や肥満の原因になり、同時にEDの原因にもなります。
これは、将来的に動脈硬化を引き起こす原因になり、「脳梗塞」「心筋梗塞」「脳出血」「狭心症」の発症率も高めます。
高塩分食
高血圧の原因になる塩分の多摂取。
厚生労働省が推奨する1日の塩分量は男性で7.5グラム未満、血圧の予防・治療の方は6グラム未満まで抑えなくてはなりません。
高血圧が続くと血管の内側を傷つけ、こちらも動脈硬化の原因になり、同時にED発症と悪化を意味します。
以上これらを踏まえて、生活習慣の改善からEDを解消しましょう。
冒頭でもお話の通り、生活習慣を見直しても、EDの根本的改善にはなりませんが、ED改善に結びつく大切なことです。
また、並行してED治療薬を用いることで器質性EDだけではなく、心因性EDなど他のEDの原因を取り除くことも出来ます。
混合性ED(mixed)
心因性EDと器質性EDが絡み合って生じます。
複数の要因が混合して発生しているEDを混合性EDと呼びますが、他の心因性EDや薬が原因のEDと比べても、原因の特定が難しいのが特徴です。
では、どんな方が混合性EDを患いやすいのでしょうか?
傾向 | 原因 | 解決方法 |
---|---|---|
不規則な生活 | 器質性EDでもご説明のように偏った食生活や運動不足などの不規則な生活は器質性を助長します。
こういった生活を長年続けていると、血流が悪くなって、脳の不活性・機能低下、気分が上がらない、仕事でミスをして人間関係がこじれる、体調不良など負の連鎖となり、複数の原因が混合してEDを発症します。 |
規則正しい生活リズムで過ごすことを心がけましょう。
食事の改善や適度な睡眠時間と運動を意識すると血管年齢も若返り血流が良好に改善されます。 |
加齢 | 40代半ばを超えてくるとEDを患う方が多く、実際に当院でも、40代以降の方から問い合わせが寄せられます。
これは、加齢による動脈硬化や高血圧などの血管障害=器質性が主な原因と考えられます。 また、年齢的に仕事で責任のある管理職になってプレッシャーを感じることが多くなる、若い頃と比べて食事の影響を受けやすくなる点などが考えられます。 |
仕事が忙しい、ストレスが溜まりやすい方などはストレス発散する時間を作りましょう。
趣味や旅行などがおススメです。 また、40代を超えてくると運動から遠ざかる方が多く体を動かす機会が少なくなります。 軽いジョギングやウォーキングが効果的です。 |
結婚後の家庭問題 | これまで1人の時間で自由だった時間も結婚を経て、夫婦の時間や、子育て、拡大家族になることで親(または相手方の親族)の介護など家庭に割く時間が多くなり、ストレスを感じることが増えます。
逆に、ストレスを発散する場所がなくなっていくことで暴飲暴食になってしまったりと、心因性と器質性EDが重なってしまうことが懸念されます。 |
「ひとり時間」を作るのが望ましいでしょう。
憂さ晴らしにバッティングセンターや山登りで清々しい気持ちになれば精神的にもリラックスできます。 ひとり時間が難しい方は、家族で出かけて夫婦間のストレスを発散しながら、子どもと遊ぶことで、ひとつの空間で家庭の問題が一度で向き合うことができます。 |
神経質な方 | 傾向として、内向的で自己内省的。
小心、敏感、心配性、小さな事にくよくよしやすい。 完全主義、理想主義、負けず嫌いなどの特徴があり、小さなことがいちいち気になってしまい頭から離れない、解決しないと気が済まないなど神経質な方はフラストレーションが溜まりやすい傾向にあります。 重度の神経質になると、髪をむしったり、爪を噛んだりと行動が激しくなり、不安障害やノイローゼといった症状があらわれます。 |
重症化する前に問題を解決することが何よりも大切です。
友人に相談する、またはカウンセラーのもとで問題を吐露して悩みを解決しましょう。 重症化してしまうと本格的な医療治療に発展してしまいます。 |
薬剤性ED
薬剤の中には一部、EDを引き起こすものがあります。
下記の表は旧版となる『ED診療ガイドライン 2012年版』を引用しています。
『2018年第3版』が発行されていますが、分かりやすく、見やすいので2012年版の情報を記載します。
EDを引き起こす可能性のある薬剤 | |
---|---|
降圧薬 | 利尿剤(サイアザイド系,スピロノラクトン)
Ca 拮抗薬 交感神経抑制薬 β遮断薬 |
精神神経用薬 | 抗うつ薬(三環系抗うつ薬,SSRI,MAO 阻害薬)
抗精神病薬(フェノチアジン系,プチロフェノン系,スリピリド,その他) 睡眠鎮静薬(バルビツール系) 麻薬 |
ホルモン剤 | エストロゲン製剤
抗アンドロゲン薬 LH-RH アナログ 5α還元酵素阻害薬 |
抗潰瘍薬 | スルピリド,メトクロプラミド,シメチジン |
脂質異常症治療薬 | スタチン系
フィブラート系 |
呼吸器官・アレルギー用剤 | ステロイド剤
テオフィリン β刺激薬・抗コリン薬 抗ヒスタミン薬(クロルフェニラミン,ジフェンヒドラミン) プソイドエフェドリン |
その他 | 非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs) |
SSRI:選択的セロトニン再取り込み阻害薬.MAO:モノアミン酸化酵素
(文献135)Table4を改変)
これら記載の薬剤は、EDの罹患率が高まる報告がされています。
また、利尿薬かβ遮断薬を投与されている患者のほうが、カルシウム(Ca)拮抗薬/ACE 阻害薬/アンジオテンシン受容体拮抗薬のいずれかを投与されている患者よりも有意にED罹患率が高かった。
降圧剤を代表にED発症の機序を挙げてみます。
高血圧に合併する「動脈硬化病変」のために陰茎へ血流が低下しているところに、降圧薬による降圧によりさらに陰茎血流が低下するためと考えられています。
ED治療薬と併用はせず相談
降圧剤とPDE5阻害薬となるED治療薬は併用禁忌薬に該当されます。
併用されると血圧が基準値を下回り大変危険です。
該当される薬剤を服用中の方は必ず担当医へご相談ください。
ED治療薬にはそのほかにもたくさんの併用禁忌薬、併用注意薬があります。
より詳しい併用禁忌薬などについてはこちらをご確認ください。
併用禁忌薬と併用注意薬
要因別ED治療薬(当院推奨)
EDの要因 | ED治療薬(処方価格) | 推奨理由 |
---|---|---|
心因性 | ①バルデナフィル錠 / ②タダラフィル錠 / ③アバナフィル錠 |
安心型
・①と③は即効性が高い②は効果の持続時間が長いので事前に服用しておける ・比較的それも食事の影響を受けにくいので飲み方に制限なく服用できる |
1,540円~1,980円 | ||
器質性 | ①シルデナフィル錠 / ②バルデナフィル錠 / ③アバナフィル錠 |
硬化型
・治療薬の効果による陰茎の硬さは異なる この3種類は比較的、他の治療薬より硬くなるので原因が器質性の方にオススメ |
1,320円~1,980円 | ||
混合性 | 全種類 |
探求型
混合型はいくつもの原因が考えられます 原因に合ったご自分に合った治療薬を色々試してみるのも良し |
▼ED治療薬の効果比較 | ||
薬剤性 | ▼併用禁忌薬・服用が適さない方の詳細 |
要相談
ED治療薬は併用禁忌・注意薬が多数 その中でも比較的シアリス系は、該当される禁忌薬の種類が少ない まずは薬を処方されている主治医に相談 |
▼EDを引き起こす病気・疾患ついて |
EDに関わる病気
これまでご説明した要因以外に勃起不全を患う病気(疾患)が存在します。
何度も同じような説明になりますが、EDは血液が陰茎海綿体に流れ込みにくい、流れ込まないことで勃起が発現されません。
そのため、動脈硬化などによる血管に関する病気がEDを発症させる主な疾患です。
"糖尿病" "狭心症" "心筋梗塞" "腎臓病" "うつ病"などがその代表的な疾患になります。
EDを引き起こす疾患 | ||
---|---|---|
病名 | 病態機序 | 主な病状 |
糖尿病 | インスリンが十分に働かず、血糖を細胞に取り込めず、血液中に糖が溢れている状態
1型:膵臓のβ細胞の破壊・消失によってインスリン分泌が少なくなる、または無くなる 2型:遺伝体質に過食、運動不足、肥満が原因 |
疲労感 / 皮膚の乾燥痒い / 手足の感覚低下や刺すような痛み / 感染症に対する免疫低下 / 頻尿 / 外傷に対する治癒能力の低下 |
狭心症 | 動脈硬化などを起こした冠動脈にコレステロールの塊などが沈着して、血管が狭くなり血液の流れが悪化して心筋が血液不足になり、一時的に酸素不足の状態に陥いる | 動悸 / 息切れ / 胸痛
注意すべき症状 締め付けられるような胸の痛み |
心筋梗塞 | 心臓に酸素を送る冠動脈が、動脈硬化で硬くなりコレステロールなどが沈着して粥腫(じゅくしゅ)ができる
その回りに血栓ができて血液の通り道が塞がれ、心筋に血液を送ることができず、心臓(心筋)が酸素不足になり壊死する病気 |
狭心症のように、締め付けるような強い胸の痛みや胸部の圧迫感に注意
前兆の自覚症状 歯・あご・肩・腕の痛み / 胸焼け / 胸痛 / 胸の圧迫やしめつけ感 / これらの痛みが数分程度で治まる |
腎臓病 | 腎臓に運び出される血液量が増加して大量の血液が流れ込み、腎臓内の血圧を上がり、腎臓に過度の圧力がかかり、腎臓細胞がダメージを受けて腎機能が悪化 | 悪心 / 疲労 / 口内炎 / 味覚異常 / 食欲不振 / 嘔吐 / 低栄養 / 倦怠感 / そう痒 / 筋収縮 / 筋痙攣 / 末梢神経障害 / 水分貯留 / 痙攣発作 / 集中力の低下 |
うつ病 | 原因は不明だが、脳の働きの不調や、身体・精神的ストレスが仮説としてたてられている
うつ病:気分が落ち込む精神症状や眠れない・食欲がないといった身体症状のうつ状態 双極性障害(躁うつ病):双極性障害はうつ状態と躁状態(軽躁状態)を繰り返す病気 |
めまい / 口が渇く / 食欲がない / 性欲がない / 眠れない・過度の睡眠 / 体がだるさ・疲れやすい / 頭痛 / 肩こり / 動悸 / 胃の不快感 / 便秘・下痢 / |
EDを引き起こす病気・疾患
続いて、服用後の副作用「頭痛」「胸焼け」の対処法についてご説明してまいりましょう。
服用後の副作用「頭痛」の対処法と禁忌
「頭痛」は、副作用の中で比較的発症しやすい傾向にある症状です。
性行為を行う上で、頭痛は煩わしい症状と感じる方も少なくありません。
なぜこういった症状が起きてしまうのか仕組みと共に、軽減、解消する方法を解説いたします。
頭痛が起こる理由
ED治療薬の作用機序による、血管拡張作用で代表的な副作用の一つとして頭痛が現れます。
服用後、脳内の血管も拡張し周りにある神経が刺激されるため、頭痛が生じる場合があります。
これはお酒を飲んで生じる頭痛の仕組みと似ています。
よって日頃からお酒を飲むとよく頭痛がする方はED治療薬を服用しても頭痛を発症しやすい傾向にあります。
頭痛だけでなく、紅潮といって顔が赤くなる副作用現象がありますが、お酒を飲むと顔が赤くなりやすい方はこちらも頭痛同様、頬が赤くなりやすい傾向にあります。
頭痛の対処法
ED治療薬を服用中に発生する頭痛は、ロキソニンやイブなどの鎮痛剤(頭痛薬)で対処を行うのが効果的です。
ロキソニンやイブなどの市販で購入が可能な鎮痛剤の抗炎症作用により、副作用の頭痛を緩和させることができます。
頭痛はED治療薬の成分量が多いほど発生リスクは高まります。
鎮痛剤以外の頭痛の対処方として、ED治療薬の成分量を下げるといった方法もあります。
しかし成分量を下げるとその分、効果が正常に得ることが出来なくなる可能性もあるため、成分量を変更される際は医師に相談しましょう。
市販の鎮痛剤
ロキソニンS | バファリン | イヴA錠 | ノーシン | |
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見た目 | ||||
分類 | 第一類医薬品 | 第一類医薬品 | 第二類医薬品 | 第二類医薬品 |
成分 | ロキソプロフェンナトリウム水和物 | アスピリン(アセチルサリチル酸) | イブプロフェン | アセトアミノフェン:A
エテンザミド:E カフェイン:C |
飲み方
(副作用対策時) |
ED治療薬と併用して問題ありません。
ただし、状況によっては鎮痛剤の服用に必要な条件が設けられる場合があります。 |
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価格(税込) | 12錠/712円 | 80包/1,304円 | 60錠/877円 | 32錠/708円 |
タイプ | 錠剤 | 錠剤 | 錠剤 | 錠剤 / 散剤 / 細粒 |
鎮痛剤服用のタイミング
服用のタイミングは、ED治療薬の作用時間の関係からED治療薬と同時に服用いただくのがベストです。
しかし、ED治療薬は空腹時に服用するのが効果的に対して、ロキソニンなどの鎮痛剤は空腹時に服用すると胃粘膜を荒らす副作用があるため胃腸の弱い方は食後がベストとされています。
そのため、胃腸が弱い方は、対処法として胃腸薬と併用するとよいでしょう。
鎮痛剤を併用する時の注意点
ED治療薬と同時に服用して下さい。
鎮痛剤は服用後15~20分くらいで効果が出て作用時間は約4~5時間です。
鎮痛剤を続けて服用する場合は4時間以上の間隔をあけて下さい。
1日に服用できる錠数は60mgを3回(3錠:180mg)までとなります。
胃の弱い人は副作用で胃痛が出る可能性があるので胃薬と一緒に服用して下さい。
鎮痛剤を服用しても全く痛みが緩和されず続くようであれば、服用を中止して医師にご相談下さい。
鎮痛剤を併用できない方
鎮痛剤(頭痛薬)の主成分などによって併用できない方がいます。
前述で紹介したロキソニン、バファリン、イヴを代表に服用できない・注意についてご説明します。
記載内容は該当される可能性のある「成人男性」に関する内容だけを抜粋しています。
ロキソニン
・ロキソニン服用中に飲めない医薬品
他の解熱鎮痛薬、かぜ薬、鎮静薬、乗物酔い薬※
※ロキソニンSプレミアムのみ
・消化性潰瘍のある方
(プロスタグランジン生合成抑制により、胃の血流量が減少し消化性潰瘍が悪化することがある)
・重篤な血液の異常のある方
(血小板機能障害を起こし、悪化するおそれあり)
・重篤な肝障害のある方
(副作用として肝障害が報告されており、悪化するおそれあり)
・重篤な腎障害のある方
(急性腎不全、ネフローゼ症候群等の副作用を発現することがある)
・重篤な心機能不全のある方
(腎のプロスタグランジン生合成抑制により浮腫、循環体液量の増加、心臓の仕事量の増加で症状を悪化するおそれあり)
・アスピリン喘息又はその既往歴のある方
(アスピリン喘息発作の誘発及び非ステロイド性消炎鎮痛剤等による喘息発作の誘発するおそれあり)
・本剤の成分に過敏症の既往歴がある方
・服用前後は飲酒
・長期連続して服用
(3〜5日服用しても痛み等の症状が繰り返される場合には、服用を中止し、医師の診療を受ける)
バファリン
・バファリンの成分またはサリチル酸系製剤に対し過敏症の既往歴のある方
(生命をおびやかす過敏反応があらわれることがある)
・消化性潰瘍のある方
(胃出血の発現又は消化性潰瘍が悪化するおそれがある)
・出血傾向のある方
(出血を増強するおそれがある。)
・アスピリン喘息又はその既往歴のある方
(アスピリン喘息発作の誘発及び非ステロイド性消炎鎮痛剤等による喘息発作の誘発するおそれあり)
・空腹時の投与は避けることが望ましい。
・心筋梗塞及び経皮経管冠動脈形成術に対する投与に際して、初期投与量として維持量の数倍が必要とされていることに留意すること
・他の消炎鎮痛剤との併用は避けさせることが望ましい
イヴ
・本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある
・消化性潰瘍のある方
(プロスタグランジン生合成抑制により、胃の血流量が減少し消化性潰瘍が悪化することがある)
・重篤な血液の異常のある方
(血液障害が現れた場合、血液の異常を更に悪化させるおそれがある)
・重篤な肝障害のある方
(副作用として肝障害が報告されており、悪化するおそれあり)
・重篤な腎障害のある方
(急性腎不全、ネフローゼ症候群等の副作用を発現することがある)
・重篤な心機能不全のある方
(腎のプロスタグランジン生合成抑制により浮腫、循環体液量の増加、心臓の仕事量の増加で症状を悪化するおそれあり)
・重篤な高血圧症のある方
(プロスタグランジン合成阻害 作用による水・ナトリウム貯留傾向があるため、血圧を更に上昇させるおそれがある)
・重篤な腎障害のある方
(急性腎不全、ネフローゼ症候群等の副作用を発現することがある)
・アスピリン喘息又はその既往歴のある方
(アスピリン喘息発作の誘発及び非ステロイド性消炎鎮痛剤等による喘息発作の誘発するおそれあり)
・ジドブジンを投与中の方
ED治療薬の副作用「胸焼け」の対処法と禁忌
胸焼けが起こる理由
ED治療薬には、陰茎海綿体平滑筋を弛緩させることで海綿体への血流量が増加、海綿体で血液が貯留され勃起の持続を促す作用があります。
稀に陰茎海綿体平滑筋以外の平滑筋も弛緩(緩める)させてしまうことがあります。
自分の意志では動かすことのできない筋肉を不随意筋といい、平滑筋は自律神経の支配下にある心筋以外の不随意筋で血管壁、胃、食道、小腸、大腸のそれぞれに存在します。
平滑筋は胃にあるものが食道に逆流しないように働きかけていますが、弛緩されることで胃酸が逆流して胸やけや、胃部不快感、胃食道逆流症といった症状があらわれます。
各薬剤のインタビューフォームの胃腸障害によるデータ(下痢、消化不良胃部不快感、胃食道逆流性症、等)によると
・バイアグラ/50mg9.78%(511例中50件)・レビトラ20mg/6.52%(7993例中521件)・シアリス20mg/12.4%(1493件中185件)
というそれぞれの発症率が確認されています。
緩やかでマイルドな効果のシアリスは循環器(ほてり、潮紅など)、感覚器(眼痛、眼の充血など)では、バイアグラ、レビトラと比較しても副作用の発症率は低いようですが、胃腸に関わる副作用の発症率は若干多いようです。
胸焼けの対処法
ED治療薬の副作用「胸焼け」に対する対処法としては、胃酸を抑制することで胸焼けは治まります。
「ガスター10」「サクロン」「パンシロン」「第一三共胃腸薬」など市販薬の胃腸薬で対処することができます。
その中でも、食前などに服用できるものを選びましょう。
市販の胃腸薬
ガスター10 (H2ブロッカー) |
サクロン | パンシロン | 第一三共胃腸薬(細粒) | |
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見た目 | ||||
分類 | 第一類医薬品 | 第二類医薬品 | 第二類医薬品 | 第二類医薬品 |
成分 | ファモチジン | 銅クロロフィリンカリウム,無水リン酸水素カルシウム,沈降炭酸カルシウム,水酸化マグネシウム,ロートエキス | 水酸化マグネシウム,沈降炭酸カルシウム,合成ヒドロタルサイト,ピレンゼピン塩酸塩水和物,チンピ末,アルジオキサ | タカヂアスターゼN1,リパーゼAP12,アカメガシワエキス,カンゾウ末,ケイ酸アルミン酸マグネシウム,合成ヒドロタルサイト,水酸化マグネシウム,ロートエキス,オウバク末,ケイヒ末,ウイキョウ末,チョウジ末,ショウキョウ末,l-メントール |
飲み方
(副作用対策時) |
ED治療薬の服用後、性行為が終わった直後で問題ありません。
もしくは翌日に胃や食道に不快感が出ることが多いのでこの点を考量する場合、性行為終了後、時間に関係なく就寝前に服用すると良いでしょう。 |
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価格(税込) | 12錠/1,738円 | 10包/968円 | 30錠/987円 | 60包/1,655円 |
タイプ | 錠剤/散剤 | 細粒/錠剤 | 細粒/錠剤/顆粒 | 細粒/錠剤 |
ガスター10は副作用症状が出たらいつでも服用できるので臨機応援に服用することができます。
また、服用から30分ほどで効果が現れるので利便性の良い胃腸薬です。
胃腸薬服用のタイミング
前述でもご説明のように胃腸薬は市販薬でもかなりの種類がありますが、「食後」に服用する胃腸薬より「食前」に服用できるものが良いでしょう。
食後に服用する胃腸薬は食後に飲むことで主成分の吸収が良くなりますが、食前に飲んでしまうと胃が荒れてしまう可能性があります。
胃腸薬の注意点
▼胸焼けが予測できる時は事前に服用でもOK
※胃腸薬それぞれに副作用があります
胸焼け症状発現率の高いシアリスは、服用前後の食事内容によって胸焼け症状に影響がでます。
シアリスは最大36時間という長時間の間効果を得られるため、効果中の食事は胸焼けを起こさないような食事を摂りましょう。
▼消化の良いものを食べる⇒(消化不良は胃に負担がかかる)
▼腹八分目を目安にする⇒(食べ過ぎは胃酸が発生しやすい)
▼食べた後はすぐ横にならない⇒(胃酸が逆流しやすくなる)
▼高脂質、刺激(辛い物、炭酸など)は避ける⇒(胃酸過多や胃の動きが鈍る)
胃腸薬が飲めない方
胃腸薬の主成分などによって併用できない方がいます。
前述で紹介したガスター10、サクロン、パンシロンを代表に服用できない・注意についてご説明します。
記載内容は該当される可能性のある「成人男性」に関する内容だけを抜粋しています。
ガスター10
・主成分(ファモチジン)やH2ブロッカーの服用でアレルギー症状を起こしたことがある
・抗生物質、抗がん剤、ステロイド剤、アゾール系抗真菌剤を現在服用中
・血液の病気、胃・十二指腸や腎臓・肝臓・心臓の病気、喘息・リウマチなど免疫系の病気がある
・血小板数、赤血球数、白血球数が少ないなど血液異常がある
・高齢者(80歳以上)
サクロン
・胃腸鎮痛鎮痙薬を服用中の方
・医師の治療を受けている人
・高齢者
・薬などによりアレルギー症状を起こしたことがある
・排尿困難の症状がある
・腎臓病、心臓病、緑内障、甲状腺機能障害の診断を受けた
口のかわき、便秘、下痢
パンシロン
・本剤又は本剤の成分によりアレルギー症状を起こしたことがある
・透析療法を受けている人